第71章 *強靭インベーダー*
ケイト『連行された生徒は、リドルくん、レオナくん、アズールくん、ジャミルくん..寮長のカリムくんじゃなく、副寮長のジャミルくんが拐われた。でも、同じく副寮長のルークくんは無事』
トレイ『不自然だと思わないか?狙われたのは寮長と副寮長じゃなく、多分..』
カリム『ブロットの研究..ジャミル..はっ!』
2つの要素を当てはめて考えるカリムは、ある一つの共通点が頭をよぎった
カリム『オーバーブロットの経験者!?』
ラギー『えっ、てことはヴィルさんもオーバーブロットを..?』
『『...』』
自分たちしか知らないヴィルの事件にカリムとルークは複雑そうに口をつむぐ
トレイ『だけど、リドルも他のみんなも、適切な指導を受けて回復したはずだ。何故今になって?』
マレウス『ふむ..あいつなら何か理由を知っていたかもしれないが』
カリム『あいつって?』
リリア『嘆きの島の番人のことじゃ』
ルーク『彼らの存在については、古い歴史書で何度か目にしたことがある。つまり、竜の君..君は古くより”曰くつき”と恐れられる島の番人と、面識があるということかな?』
マレウス『..何を言っている?寝ぼけているのか、ハント。番人とは、お前も知り合いだろう?』
ルーク『!?』
リリア『ルークだけではないぞ。ここにいる全員が、知っておる』
ルーク『それは、もしかして..イグニハイドの寮長、イデア・シュラウドくんが嘆きの島の番人..ということかい!?』
マレウス『ああ..といっても、"番人"は個人を指しているわけではない。かの一族に属する総称だ。たしか現当主は、アイドネ・シュラウド..だったか?』
リリア『いや、彼女はすでに没した。現当主はアイドネの息子である、イデアの父が務めているはずじゃ』
マレウス『そうか..人間は本当に代替わりが早い』
リリア『"嘆きの島の番人"が組織化され、S.T.Y.Xと名乗るようになったのも最近の話だからのう。やつらがS.T.Y.Xとなってからは、まだ100年ほどしか経っておらんのではなかったか?』