第8章 *先輩サウザント*
ユウ『う~....ダメだと言いたいんだけど。あの時は状況が状況で...』
『ユウ、私はいいよ』
ユウ『でも...あ"~分かった!今日だけね!今日だけだから!エース!絶対に変なことしないでよね』
エース『努力だけするわ♪』
グリム『アイツ絶対変なことするんだゾ』
デュース『安心しろ、俺も談話室で寝ることになるからきっちり見張っておく。元々エースを見張るために来たからな』
エース『ちぇ~』
『じゃあプチ掃除して寝よ?』
〔ユウ〕
あれから談話室を軽く掃除して、3人が寝られるスペースを確保した
寝心地が少しでも良いように寮中を探してクッションになりそうなものを集め、キチンと外で叩いたりして埃を飛ばしてから並べたらそれなりに良い寝床になったんじゃないかな?
少し心配だったけど、僕とグリムは部屋へと戻ってそのまま寝ることにした
グリムは既にいつもの定位置の足元で爆睡。僕もベッドに横になる
隣がぽっかりと空いたベッド。元々一人用だけど、彼女がいないだけで何故か広く感じる
いつも腕の中で気持ち良さそうに寝てくれていた彼女は今はいない。きっと今頃は、僕じゃなくてエースの腕の中で...
ダメだな...これじゃあまたレイラに迷惑をかけちゃう
今夜だけ..分かっていても不安だ。だからと言って二人を責めるつもりなんてない
いつも彼女を収めるための腕を今日は伸ばさずに引っ込めて目を閉じる
寝る前に二人から聞いた"匂い"。その話とあの甘くてゾクッとする感覚を思い出しながら無理やり自分を寝かしつけた
明日起きたら沢山抱き締めよう...
彼女の匂いが移るほど
彼女に自分の匂いが移るほど
〔エース〕
『ん~...エース、くすぐったい...』
エース『逃げるなよ...』
後ろから抱き締めて項に顔を埋めて匂いを嗅いでると、モゾモゾと逃げ出そうとするから力を強めて閉じ込める
『くすぐったいってば...ん...ゃ...』
エース『良い匂い...柔らかくて...抱き心地最高』
目の前の真っ白な項が何だか美味そうに見えて、つい軽く噛みつくとビクッと震えが伝わった