第71章 *強靭インベーダー*
ナイトレイブンカレッジ・医務室
エース『....』
デュース『....』
『エース、デュース。林檎くん...』
ベッドに横たわり目を閉じたまま動かない3人の手を順番に触れながら、今にも泣き出しそうな声で見下ろす
ユウ『レイラ、君もここで休んでたほうが..』
『ううん、私は大丈夫。私よりボロボロなカリムさんや狩人さんが頑張ってるもん。それに、今は他のみんなが無事かどうかが知りたい』
カリム『でもお前だってすごくボロボロでここまで来るのにもフラついてたじゃないか!無理をしちゃダメだ』
しかしレイラは首を横に振りゆっくり立ち上がると、カリムたちの間を通って歩き出した
カリム『お、おい!!』
ルーク『兎の君、どこへ行くんだい?』
『さっき先生から学園長室に来るように言われたんでしょ?だから..行く』
ユウ『ほ、本当に大丈夫なの?』
『ん。それに、ここでじっとしてても何も分かんないし、ヴィルさんたちも戻って来ない』
ルーク『...分かったよ。それなら共に行こう、ただしそこまで君の手を取って支える事を許してくれないかい?』
横に並び立ち優しく手を取りながら微笑むと、少し考えた後に無言で頷かれたため、”メルシー”と言ってエスコートするように医務室の扉を開けた
カリム『ルーク!良いのかよ』
慌てて後を追いかけるカリムとユウは、まだ心配だと二人の背に投げかける
ルーク『本人がこれほど真剣に、ヴィルたちを思って傷だらけの体を奮い立たせているんだ。我々はその気持ちを尊重してあげるべきではないのかな?』
カリム『それは、そう、だけど..』
ユウ『..少しでもツラかったら言うんだよ。ちゃんと僕らを頼ること、いい?』
『ん、分かった』
ユウ『よし、行きましょう』
カリム『ユウまで..ん〜、分かった!オレもレイラの気持ちを尊重する!でも、オレのことも頼ってくれよ』
『勿論』
ルーク『では行こうか。他の寮長たちが無事だといいのだけれど...』