第71章 *強靭インベーダー*
バシュゥゥウウウッ!!!
来たる痛みを覚悟していたレイラだったが、いつまでたってもそれが来ることはなく、恐る恐る目を開けてみると目の前に自身を背にする人物がいた
ルーク『っ..!!』
『ぇ...』
ユウ『ルーク先輩っ!』
そこにはペンを掲げ、残った力で防御魔法を放ち攻撃を受け止めるルークの姿があった
しかし、既にボロボロの状態の彼にほぼ無傷な相手からの攻撃に耐えられるはずはなく、やがて力負けし防御魔法は消滅し、威力は弱まったものの向かってきた攻撃を受けて、後方へと吹き飛ばされた
ルーク『ぐ...ぅっ!!』
『っ..狩人さんっ!!』
弾かれるように走り出した急いで駆け寄る。半身だけなんとか起きることができたルークはレイラの姿に小さく笑みを浮かべた
ルーク『良かった..今の攻撃は当たらなかったみたいだね』
『ど、して..?どうして私を助けたの..っ!?私っ、狩人さんに酷いこと言った!!ちゃんとした理由があるって分かって、分かってたのにずっとずっと一人だけいつまでも怒ってて..狩人さんを..困らせてるのに..っ..どうして..』
ジワジワと目に涙を溜めながら震えた声で問う。すると、大きな手が頭にそっと乗せられる
ルーク『これが私から、君への罪滅ぼしのまず第一歩だからさ。君は素直だ..素直に負けたことが悔しいと感じ、私達を一番だと評価してくれた。そして、味方の裏切りを純粋に悪だと憤ってくれた。
それでいい。君は、君だけはそれがどんな理由があろうとも許せない事だと、思ってくれていい。そうすることで、私の選択は誰かにとって悲しい思いをさせたことだと覚えていられる』
『ぅっ..ぅぅぅ...っ!』
ルーク『どうか泣かないでくれ、愛らしい兎の君。前に言っただろう..自分を責めるのはやめてくれと。君は、私を恨んだままでいいんだ、いや、いてほしい』
『....っ..あり、がと』
フイッと顔をそらして、小声で呟くとすぐに立ち上がり再び窓の方へと小走りで向かっていった
そんな姿にフッと笑みを深めたルークだったが、おかれた状況を思い出し、すぐに真剣な表情に戻って窓の外を強く睨みつけた