第70章 *会合アゲイン*
ルーク『けれどどんなにカバーしようとしても、私自身、体が思うように動かなかった。みんなも同じだっただろう。とても苦しい中で演技をしていた。だから私は..』
エペル『んだばって!ルークサンは褒めでくれだっきゃ!あのどぎ..みんなして舞台がら降りだどぎ!今まででいぢばんいしたパフォーマンスだったって!あれ嘘だってな!?』
ルーク『エペルくん..』
ヴィル『ええ。確かにルークは”素晴らしいパフォーマンス”と言ったわね..だけど、”最高に美しい”とは一言も言ってくれなかった』
エペル『はっ!』
ヴィル『ずっとアタシたちを見てくれていたから、過去最高のパフォーマンスが出来ていないと分かっていた。だから、ルークなりにアタシたちの”全力”に最大限の賛辞を送ってくれたのよね?でも、自分の心に嘘をついてNRCトライブには投票できなかった。
そうでしょう、ルーク』
ルーク『..毒の君。君には何でもお見通しだね』
ヴィル『お見通しもなにも、初めて会った時からあんたはずっとそういうやつじゃない』
エース『あのさ、良い雰囲気なところ悪いけど、それでレイラは納得してないように見えるんですけど』
微笑み合う二人に割り込むように言葉を差し込むと、全員の視線が再びレイラへと注がれる
『っ..エース..もう、いいってば』
エース『でもお前、ずっと不機嫌な顔のままじゃん』
ヴィル『エース、やめておきなさい。しつこい男は嫌われるわよ。そういう役目はアタシが背負う』
そう言ってエースを手で制してレイラの元へ近づくと、まるで駄々っ子を諭すように優しい口調で説得し始めた
ヴィル『レイラ、あんたが怒ってる理由はルークがロイヤルソードアカデミーに投票したことで、その理由にネージュのファンだからという私情を挟んだ物だと思ってるからでしょ。その怒りは分かる..アタシも最初はそう思ってた。
でもルークの判断に私情は挟んでいなかったし、投票した理由も今ちゃんと納得のいく説明があったでしょう。だからもう..』
ルーク『いいんだよ、ヴィル』
説得を試みるヴィルの後ろからそっと歩み寄り隣に並び立つと、視線を泳がせるレイラの姿に苦笑しながら首を横に振る