第70章 *会合アゲイン*
エース『オレはもらうぜ。くれるってんなら、遠慮なくいただきまーす。めちゃキツいことやらされてたわけだし?新しい靴と服とかほしいと思ってたし?(それに、レイラになんか買ってやれるし..)』
デュース『ぼ、僕も..いや、でもやっぱり僕は..』
エース『デュース。いい子ぶって無理すんのやめろよ。第一、オレら最初から賞金目当てで参加したんじゃん。なんでここで遠慮するわけ?』
デュース『それは..でも..』
賞金の使い道に、本来の目的であった家への譲渡とカリム達と同じようにオンボロ寮への寄付の2択に頭を悩ませていると、見かねたヴィルはそっと助言ついでに語りかける
ヴィル『デュース。寄付という行為は、同調圧力でするものじゃないわ。アタシの失態は、こんな方法で償いきれないことは分かってる。けど、アタシは最初に”賞金の山分け”という言葉で参加者を募った。だから、これがアタシにできる最大限の誠意。あんたたちに命を救われたの。胸を張って受け取ってちょうだい』
デュース『...っ、わかり、ました。ありがとうございます!!!』
ヴィル『アタシの話、ちゃんと聞いてた?お礼を言う必要はないわ』
ユウ『すごいよ!僕らの分も合わせれば、見違えるくらい素敵な寮になる。ねっ、レイラ』
『....』
ユウ『レイラ?』
てっきり一緒になって喜んでくれるかと思い隣を振り向くが、当の本人は複雑そうな表情で俯いていた
『...私は、受け取らない』
『『『え?』』』
ヴィル『アタシがこれだけ言っても、あんたは受け取ってくれないの?』
『ん..やだから。私もカリムさんみたいに、ヴィルさんが悪いと思ってない..でも受け取らない。悪くないから受け取らないの』
ヴィル『アタシの誠意も受け取ってくれないのかしら。それとも、金ごときで自分の怒りが静まると思うなってこと?』
『そんなことない。私..怒ってなんか..』
ヴィル『..嘘が下手ね。あんた、さっきから怒りを抑えて必死で耐えてるって顔をしてるわ』
『....』
ヴィル『大方、あんたが抱えてる怒りはあたしの起こした事件じゃなくて..一票差で負けたこと。そしてその一票を、ルークが入れたことに』