第70章 *会合アゲイン*
ジャミル『カリム!?』
カリム『言っとくけど、俺は負けた責任がヴィルにあるなんてちっとも思ってないからな。でも、これでヴィルが自分の心にケジメをつけて前に進めるってんなら、オレは受け取る。
..で!オレは受け取ったギャラを、全額オンボロ寮に寄付するぜ!』
『『『えええ〜〜!?』』』
ジャミル『またお前は..ネージュの話に感化されたか?』
カリム『そういうわけじゃなくて..いや、そうといえばそうかも?オンボロ寮での合宿中、オレ、すげえビックリしたんだ。
本っっっ当に色んな所がボロくてさ!』
いい笑顔でズバッと言われ、ユウは苦笑いを浮かべるしかなかった
ユウ『いや、そんな力いっぱい言わなくても..これでも改装してマシになったんですよ』
『..でもまだボロボロ』
カリム『そうなんだよ。シャワーからお湯が出ない時はあるわ、雨漏りはするわ、隙間風は入ってくるわ..オレ、あんなの生まれてはじめてだったぜ!オンボロ寮の名は伊達じゃねぇなって。あっはっは!』
ジャミル『..確かに、それは否定しない』
カリム『ユウたちにも、ここに住んでるゴーストたちにも合宿中には世話になった。何よりオレが、オンボロ寮での合宿、すげー楽しかったんだ!だから感謝の気持を込めて、オンボロ寮を綺麗にしたい。オレが貰ったギャラなんだ。使い道は自由だろ?』
ルーク『..黄金の君。君は本当に黄金の名に相応しい心の持ち主だね』
ジャミル『主人の厚意を、従者が無下にする訳にはいかないな。俺もギャラとして、その金を受け取ります。その上で、オンボロ寮に寄付する。元より金なんておまけみたいなものだ』
エペル『僕は..ヴィルサンと約束したのに。愛らしさでネージュに勝てなかった。約束を果たせなかったのに、自分のためのギャラなんてもらえない。でも、ヴィルサンの気持ちも、近くで見てたから痛いほど分かるんだ。
だから、お金はもらう。そして..僕もオンボロ寮に全部寄付する!..綺麗にして、グリムクンが帰ってきた時にびっくりさせたいし、ね?』
ユウ『い、いのかな..?ああでも、うん、ありがとう!』
エース『え〜〜..みんなしてそういう空気作る〜?』
デュース『う、ううう..ギャラがあれば家計が楽に..でも..』