第70章 *会合アゲイン*
ヴィル『そう。あんたたちはよく分かってるわね』
エース『え?』
ヴィル『アタシも、あんたたちも、そしてネージュも、舞台に立つもの全員が、それぞれの物語を背負ってる。だからこそ舞台は..エンターテイメントの世界は、結果こそが全て』
エペル『くっ..』
『...』
ヴィル『NRCトライブはロイヤルソードアカデミーに、パフォーマンスで負けた。ただそれだけの話..そしてその結果に影響を与えたアタシの罪は、計り知れないと思ってる。
だから、償わせてほしい』
『..違う。ヴィルさんは、悪くないもん..NRCトライブのパフォーマンスだって..』
ヴィル『レイラ..あんたはまだそんなことを言ってくれるのね。負けを認めたくないって言うより、ただ純粋にそう思ってるだけみたいだけど、でもこれが真実よ』
『っ...』
ユウ『でも先輩は十分に反省してるし、償いって言われても..』
ヴィル『VDCのメンバーの募集のポスターに書かれてあったこと、覚えてる?』
エース『えーっと..確かプロデビューのチャンスありってことと..賞金500万マドルをメンバーに山分け..でしたっけ?』
ヴィル『そう。その煽り文句でメンバーを募集した。だから、アタシのせいで逃した優勝賞金500万マドルを..アタシが払わせてもらう』
『『『ええええ〜〜〜!!!!』』』
突然の大金譲渡の話にエースたちの驚きの声が談話室に響き渡った
エペル『そったの、いらねじゃよ!』
ヴィル『トレーニングによる約一ヶ月のスケジュール拘束と、出演料。ギャラと考えれば、ありえない金額でもないわ』
デュース『で、でも..』
ヴィル『...”アタシの気持ちをお金で買おうとしないで”なんてマネージャーに言っておきながら、償う方法がこれしか思いつかないのはお笑い種だけど..このままじゃ、アタシが前に進めない。どうか、アタシのためにも受け取って欲しい』
それだけは譲らないと真剣な面持ちで全員に語りかける。すると、カリムは暫く無言で悩んだ後、笑顔を見せて”分かった!”と頷いた
カリム『そのギャラ、受け取るぜ!』