第69章 *イグニハイド寮編〜冥府の番人〜深刻ミッシング*
ナイトレイブンカレッジ・学園長室
学園長『改めて自己紹介を。ナイトレイブンカレッジ学園長、ディア・クロウリーです』
エミリア『ホリデーの時は召喚魔法陣の設置にご協力ありがとうございます』
学園長『いえいえ。あれくらいどうって事ありませんよ』
ディオン『それで学園長さん、どういうつもりです?』
学園長『と言いますと?』
ディオン『娘から聞いています。魔法士たちの中でも極めて稀に起こるオーバーブロットが、何故この学園では半年で何度も起きているのか。その度に娘が巻き込まれて心や体に傷を作ってる。親としては、これ以上の事は見過ごせません』
学園長『そのことに関しましては、心からの謝罪を。我々教師たちも常日頃生徒たちに目を光らせているのですが、なにぶんこのナイトレイブンカレッジは生徒たちの人数がかなり多いのです。それを言い訳にはできませんが..』
ディオン『..もし、またオーバーブロット事件が起きて、あの子が傷つくようなことがあれば、その時はこちらも手段は選びません』
学園長『事件を世間に公表しますか?しかしそんな事をすれば、娘さんの正体が世に知れ渡ってしまいます。それは貴方達の望む事ではないのでは?』
ディオン『ええ。だから世間には言いません。その代わり、こちらも対策をとらせてもらいます』
学園長『...何をするおつもりで?』
ディオン『それはその時になってお話しします。こちらとしては今すぐにでも開始したいところですがね』
エミリア『夫は少し過激なところがありますが、娘が心配なのは私も同じです。学園長先生、どうかあの子とその周りを守ってやってください』
学園長『私達も最善は尽くします。健やかな若者たちの生活を守るものとして』
ディオン『..信用できないな、あの学園長』
エミリア『そんなこと言わないの。でもそうね..少し、嫌な予感がするわ..何も起こらないと良いのだけれど』