第69章 *イグニハイド寮編〜冥府の番人〜深刻ミッシング*
ディオン『..今のあの子は気にしていないって言うけど、当時はとても辛かっだろうね。それをきっかけに過去の思い出さなくて良いことも強制的に見させられて..ねぇ、自分のやったことが、本当に分かってるのかな?』
リドル『っ、はい..』
エミリア『ディオン、やめなさい』
ディオン『僕の娘は妻に似てお優しいから許されたんだろうけど、僕自身としては君を許すことはできない。一族間やその他の種族の黒兎信仰はこの際どうだっていい。だけどね、君のその心無い言葉に一生消えない傷をつけられたこの子は、』
エミリア『ディオン!!』
さすがにこれ以上は聞いていられなかったのか、エミリアはディオンの肩を掴んで声を張り上げた
ディオン『....』
リドル『..どんな罰でも、受けます』
トレイ『リドル..』
エース『すげぇ手震えてる。あんな寮長初めて見たわ』
ユウ『それでも目は真っ直ぐにあの人を見てる。凄いよ、リドル先輩』
ディオン『..どんな罰でも、ねぇ..
じゃあ、
二度と娘に関わるなって言ったら、どうする?』
レイラも聞いたことのない地を這うような低い声に、寒気に似たような感覚が這い上がり、ビクッと体が震える。周りにいたユウたちも同じものを感じ取ったのか、怯えたような瞳でディオンを見つめていた
ユウ『そ、それはあんまりにも..』
エース『流石に寮長だってそれは嫌だって』
リドル『っ..分かり、ました』
エース『はあっ!?ちょっとリドル寮長!あんたそれで良いのかよ!』
リドル『お黙り。良いんだ..それほどのことを、ボクはやってしまったんだ』
ディオン『..ほんとにその覚悟ある?』
感情の読めない瞳で見下され、恐怖に駆られるも何とか自身を奮い立たせて大きく頷いた
ディオン『そっか..じゃあ、』
『っ、もうやめてパパっ!!』
悲痛な声をあげながら、レイラは走り寄ってリドルを庇うように二人の間に入った
リドル『レイラ..』
『リドルさんはもういっぱい反省してるの。それに、リドルさんともう一緒に居られなくなるなんて、私はやなの!!お願い、もう許して..これ以上、この人をいじめないで』