第69章 *イグニハイド寮編〜冥府の番人〜深刻ミッシング*
ナイトレイブンカレッジ・メインストリート
来客たちの喧騒から離れた校舎の影に、戸惑いと謎の静寂の空気が漂う
リドル『...えっと..あの..』
ディオン『...』
トレイ『なあ、これどういう状況なんだ?』
ケイト『いきなりレイラちゃんからリドルくんに呼び出しがあったから来てみたら、まさかの知らない人が凄い真顔で待ち構えてるし』
トレイ『もしかしてあの人、レイラの親御さんだったりするか?』
ユウ『はい。レイラのパパさんです。レイラから貰ったVDCの観戦チケットで昨日から来てて、今日は少しだけ一緒にいてから帰るみたいなんですが』
エース『なんか、帰る前にうちの寮長に会いたいって言い出して』
トレイ『一体どうしたんだろうな。にしてもあのご両親、思ってた以上に若いな』
ケイト『ホントホント。クルーウェル先生とあんま変わんない感じだね』
デュース『それはいいんですけど、なんか雰囲気暗くないですか?』
トレイ『確かに。怒ってるように..見えなくもないな』
ユウ『リドル先輩、凄く困ってますね』
コソコソと離れた場所で会話をするユウたちの目線の先では、無言と無表情で己を見つめるディオンに戸惑いを隠せないでいるリドルが映る
ディオン『君がリドルくん、だっけ?』
リドル『は、はい。ハーツラビュル寮寮長、リドル・ローズハートです』
ディオン『僕はレイラの父、ディオン・フィリアス』
リドル『レイラのお父様。初めまして、いつも娘さんにはお世話になっております。それで、ご要件というのは..?はっ!まさかうちの寮生が何か失礼なことを!?』
ディオン『失礼なことをしたのは君のほうじゃないのかな?』
『『!!!???』』
リドル『え...?』
ディオン『娘から聞いたよ。入学して間もない時、レイラに対して”呪われた忌み子”と罵ったそうだね』
エース『えっ、まさかのその話引っ張り出してくんの!?』
デュース『すっかり忘れていたな』
トレイ『なあケイト。これ、ひょっとしてマズくないか?』
ケイト『ひょっとしなくてもマズいでしょ!』
『パパ..?』