第69章 *イグニハイド寮編〜冥府の番人〜深刻ミッシング*
『ユウ、面会謝絶ってなに?』
ユウ『..暫くその人と会っちゃダメってことだよ』
『じゃあ、グリムと会えないの?どれだけ?』
ユウ『それは分からないよ』
『ぅぅ..』
ユウ『ごめんね。大丈夫大丈夫、良い子だから泣かないで。レイラが泣いちゃうと僕も悲しいよ』
『..ごめん』
ユウ『謝らないで。会えないのは僕も寂しいし、何よりも心配だ』
エース『明日は文化祭二日目だってのに、これじゃあね..』
デュース『素直に楽しめなさそうだな。レイラのところは両親が来るんだろ?』
『ん..ママとパパね、明日少しだけ会ってから帰るんだって』
ユウ『最後まで一緒に回らなくていいの?』
『一日目でお店は回ったから、明日は私とお話するだけ』
ユウ『そっか..ううっ、何か緊張してきた』
エース『やめろよ、オレもしてきたじゃん』
デュース『粗相をしねぇように気合いいれないとな!』
『....』
ユウ『やっぱりグリムが心配、だよね』
不安そうに顔を覗き込むユウは、暗い面持ちで俯くレイラを抱きしめてトントンとあやすように背を叩く
『..大丈夫。アズさんのところにも遊びに行くって約束したし、折角のお祭りだもん。楽しみたい』
エース『そんじゃ、今日のところは解散しようぜ。明日も早いし、寝て頭ん中スッキリしよ』
『ん』
全員心に突っかかりを抱えつつもその場で解散することになり、ユウは優しく手を取ってゆっくりとオンボロ寮へと帰っていった
オンボロ寮・自分たちの部屋
『ユウ..もっとギュッてして』
ユウ『こうかな?』
『ん..』
ユウ『(可愛いなぁ..)ママさんたちに元気なところ見せるためにも、今日はもうおやすみ』
柔らかな唇にそっとキスを落とし、子供を寝かしつけるように一定のリズムで背中を軽く叩いてやると、数分もしないうちに穏やかな寝息が聞こえてきた
ユウ『グリム..早く戻って来られたらいいんだけど。レイラも僕も寂しいよ』
既に夢の中へと旅立ったレイラの頭にもう一度キスを落とすと、そっと目を閉じて微睡みの中へと落ちていった