第68章 *終曲ポムフィオーレ*
ルーク『兎の君..?』
『好きなんだね、あの人のこと。なんだ..じゃあもう何も関係なかったんだ。パフォーマンスが良かったとか、美しさとか、パワーとか関係ない。
最初から私たちを裏切るつもりだったんだね』
ルーク『!!それは違うんだ、心に誓おう。彼のファンであることとロイヤルソードアカデミーに投票したのは全くの無関係だ』
『嘘つき..』
ルーク『兎の君..』
『ほんとになかったの?ううん、嘘だよね。少しはあったでしょ?あの人が好きな気持ちが、向こうに投票させたんだ..』
ルーク『どうか落ち着いて聞いておくれ。その事に関しては本当に無関係なんだ..』
『だったら何で裏切ったの!?どうしてヴィルさんたちを悲しませるの!?どうして..どうして誰よりも努力したみんなが泣かなきゃいけないの..そんなの、そんなの..私は見たくなかった!!』
みんなには笑顔で、勝った喜びで終わってほしかったのに..ううん、終わるはずだったのに..
こんな、こんなことで....
『っ!!』
ルーク『レイラくん!!』
もう悲しくて悲しくて、この場にいたくなくて出ていこうとした
でも後ろから狩人さんに抱き締められて、抵抗しようとしたけど力が強くて動けなくなった
『っ、離してっ!!触らないでっ!!』
ルーク『今、離せば君の心は完全に壊れてしまう。それだけは..させたくない。いや、絶対にさせない』
『やっ!!離、してっ!!』
早く、早く離れないと...
これ以上、私の心がボロボロになる前に..
これ以上、狩人さんに酷いことを言ってしまう前に..
狩人さんを、"許せなくなってしまう"前に..
抑えなきゃ...抑えなきゃ...
何も感じなくなるように..傷つけないように..
抑えて...抑えて...抑えて...
感情を、心を抑えれば.....
きっと楽になれるから..
ひび割れの音は、まだ続いてる