第67章 *最高潮ビート*
ヴィル『スポットライトがアタシを照らしているのなら、例え頭上から大岩が落ちて来たって、舞台を降りはしない。最後の瞬間まで、勝利を信じて足掻き続ける。それが、悪役の誇り。
...どうか、悪役(アタシ)に最後まで舞台に立っていられるチャンスをちょうだい』
その声はまるで先程までの戦いの疲れを感じさせない凛としたもので、そんな彼の細やかな願いにエペルは小さく頷いた
エペル『...分かりました。ヴィルサンが、そう決めたなら..』
ヴィル『..ふん。第一、他人の心配なんかしてる余裕あるの?エペル。あんた、人前に出ると途端にミスが増えるんだから。大事なオーディション、サビでミスったのをお忘れ?』
エペル『なっ!い、今そんな話しなくたって良いじゃないですか!』
ヴィル『このアタシにセンターを譲れとまで言ったのよ。きっちり観客のハートを仕留めてちょうだい、毒林檎ちゃん』
エペル『..はい!』
?『ナイトレイヴンカレッジのみなさん、間もなく出番です。スタンバイよろしくお願いします』
スタッフからの呼び声に、全員がステージの方向へと顔を向けた
ヴィル『..ついにこの時が来たわ』
エース『んじゃ、サクッと優勝トロフィーもらいに行きましょっか』
デュース『おう!緊張しすぎて逆に落ち着いてきたぜ!』
エペル『っしゃあ!!観客のハート、仕留めてみせんぞ!』
ジャミル『練習通りにやればいい。心配するな、全て上手くいく』
カリム『ジャミルの言うとおりだ。最後まで全力で楽しもうぜ!』
グリム『いいか!オメーらの肩にはオレ様のツナ缶富豪の夢がかかってるんだゾ。絶対、絶~っ対、優勝するんだゾ!』
ユウ『世界一美しいステージにしましょう!』
『みんな..頑張って..絶対優勝してね』
エース『任せといて。優勝トロフィー、持って帰ってお前に持たせてやるから良い子で待ってろよ』
ヴィル『アタシたちの最高の美しさ、あんたに見せてあげる』
ルーク『さあ、我らNRCトライブ!いざ征かん、決戦の地へ!』
歩き出していくヴィルたちの背中を、ユウたち3人は笑顔で見送っていった