第66章 *衝突マックス*

『ん...』


少しだけ体を離して顔を見合わせると、レイラはふわりと花が咲いたような笑顔をマレウスに贈った


その笑顔にマレウスは胸に熱く尊いものが込み上げるような感覚を覚えてそっと目を細めた


マレウス『(ああ..愛おしいな..)』


ユウ『(何だかんだ言って、ツノ太郎もレイラが心配で仕方なかったんだね)ツノ太郎、僕からもお礼を言わせて。本当にありがとう』




カリム『うわぁぁぁっ！！！レイラっ！！良かったぁぁぁぁ！！』


大粒の涙を流しながら、カリムを筆頭にエースたちがレイラの元へ雪崩れ込んできた


『え...わわっ！！』


マレウスに支えられて立ち上がったレイラだったが、飛びついてきたカリムたちによってバランスを崩して倒れそうになった


だがそれを察したエーデュースコンビが後ろから支え後ろに倒れることは免れた。だが大勢にもみくちゃにされてせいでレイラは目をクルクルと回して気を失ってしまっていた


エース『マジで良かったぁ！！..って、大丈夫？』


デュース『目を回してるな..』


カリム『ええっ！？おい、大丈夫かぁ！？しっかりしろぉ～！』


ジャミル『カリム、そんな風に揺り起こすな。さっきまで呪いで苦しんで気を張ってたんだ。暫く安静にさせていればそのうち目が覚めるだろ』


ルーク『ああ..素晴らしいよ。蝕む呪いを颯爽と解くその姿！正に王の風格だね、竜の君。兎の君もよく頑張って耐えたね』


エペル『レイラチャン、さっきよりも顔色が良くなってる。安心した..』






ユウ『ほんとにありがとう、ツノ太郎』


マレウス『当然のことをしたまでだ。僕にとってはあの程度、容易いと言っただろう。それよりもお前は行かなくていいのか？』


ユウ『後でたっぷり触れ合うからいいよ。それに、今のレイラにはゆっくりさせてあげる時間が必要だからね』


マレウス『ふ、お前は他のやつらと違ってよく考えているな』


ユウ『ほんとは僕も走っていきたいんだけどね』


ヴィル『..マレウス..』


ふらりと近づいてきたヴィルに、マレウスはユウと話していた時とは全く違う冷えきった瞳を向けた