第8章 *先輩サウザント*
エース『確かにレイラの匂いを嗅いでたら、なんか体熱くなって止められなかったけど...でもそれでオマエが気に病む必要ないだろ!オレがこれから慣れてけば良いって事っしょ?』
『エースは、それでいいの?』
エース『オレがそうしたい。レイラに触れられなくなるの...嫌だし』
バツが悪そうに頭をポリポリと掻き、視線を床へと落とす
『私も...エースとギューってしたり、キスしたりしたい...』
エース『っ...//あー!!!もう!!!』
頬を赤く染めながら、想いをぶつけるようにレイラを強く抱き締めると、すぐに応えるように背中に手が回された
エース『くそ...///好きだ...』
『私も、好き』
エース『(あ~良い匂い...また手出しそう...でも慣れねぇと。レイラを傷つけたくねぇ...)なんとか、できねぇのかな?』
ポツリと溢した言葉にレイラは"う~"と小さく唸りながら考えていると、ふとあることを思い出したように顔をあげた
『エース...クルーウェル先生のとこ行きたい』
エース『へ?何でクルーウェル先生?』
『あの人、魔法薬学・錬金術の人。これに効くお薬あるかも』
エース『なるほど...行ってみる価値あるな。あ~でもその前に』
『タルト作ってから』
レイラの言葉に、"だな!"と笑顔で返すと二人は手を繋ぎ厨房へと歩いていった
エース『おっ、帰って来た帰って来た。随分遅かったじゃん』
あれから待ってはいたものの、すぐにユウ達が帰ってくる気配は無く、結局暫くの間トレイを含んだ三人で駄弁る事20分、ようやくユウ達が帰還したのだった
『おかえり...心配した』
ユウ『ごめんね?ちょっと色々あって...』
トレイ『それじゃ、一気に仕上げよう』
トレイの一言で、五人はマロンタルト仕上げの作業に入った。途中デュースがブツブツ言いながら元気がなさそうにしていることに若干の不安を感じつつも、最後の仕上げのマロングラッセもグリムが綺麗に飾り付け、ついにマロンタルトが完成した