第8章 *先輩サウザント*
トレイ『エース...ここで盛るな』
エース『トレイ、先輩...』
トレイ『とにかく落ち着け。レイラから一回離れろ』
トレイが現れ止めてくれたことにより、エースはハッと我に返ることが出来た。腕の中で真っ赤になりながら呼吸を整えようと、荒く息を吐くレイラの姿に慌てて距離をとった
エース『わ、悪いっ!!マジで...』
『へ...き...///』
トレイ『まったく...一応ここは人もよく通る場所だ。ちゃんと考えろ』
エース『...うす。...てかトレイ先輩、いつから』
トレイ『...お前たちが1回目のキスしてるとこ』
エース『最初からじゃないっすか!』
トレイ『まぁまぁ...にしても、お前たちそういう関係なのか?俺はまたてっきり、ユウと...』
エース『っ...そういうのじゃ...ないっす。オレも、ユウも...レイラとは』
『トレイさん、エースを責めないで。関係とか分かんない、けど...ユウもエースも好きだから、だから...』
何とかしてエースは悪くない、と説明したいのに上手く伝えられず、徐々に声が小さくなっていく
トレイ『...無垢で無知ってのは怖いな』
『え...』
トレイ『別に咎めようとか思ってないから安心しろ。ただ確認したかっただけなんだ...自分のためにも』
腰を屈め目線を合わせると、レイラを安心させるためにポンポンと頭を優しく叩く
『トレイさんのため...?』
トレイ『...俺にもチャンスがあるんだって』
???と首をかしげいまいち理解していないレイラを他所に、エースは1つの可能性に気づきトレイを見る
エース『先輩...まさか』
トレイ『想像におまかせするよ...』
ニイッとエースに挑戦的な笑みを送ると、体勢を戻し"そろそろデュース達も戻ってくるぞ"とだけ残し、厨房へと戻っていった
二人だけの空間が静寂に包まれ、やや気まずい雰囲気が漂っていた
『エース、ごめん』
エース『な、何でオマエが謝るんだよ。悪いのは、寧ろオレだし...』
『きっと、私のこの香りのせいだから...』