第8章 *先輩サウザント*
トレイ『最後に粉砂糖を振りかけて、と』
『『『完成!!』』』
デュース『かんせーい...』
エース『こいつ、買い出しでなんかあったの?』
ユウ『ヒヨコショックが...』
デュース『オレが16年間信じてきたものは一体..』
『ヒヨコ...』
ユウ『後で説明してあげるよ』
エース『それにしても、お菓子作りって時間かかるんだな~。メチャクチャ疲れたぁ...』
ケイト『おつおつ♪おっ、タルト完成した、デコレーションかわいーね!』
エース『あーっ!アンタ今さら何しに来たんだよ』
タイミングよく厨房の扉を開け入ってきたケイトを怪訝そうな顔で睨むが、今までの疲れが顔に出て笑われるはめになった
トレイ『慣れないことすると疲れるよな。というわけで、疲れた時には甘いものだ。出来立てマロンタルトを召し上がれ』
"やったー!!"と声を上げる者の中にしれっとケイトも混じっていて、やはり完成を見計らって現れたのだとエースは不服そうにしていた
それを軽く流しつつも、全員で一口マロンタルトを口に含んだ。すると、あまりの美味しさに次々と驚きと歓喜の声を上げる
ユウ『ほら、あーん』
『ん....』
エース『あー!それオレがやりたかったやつ!!』
昼食の時のようなやりとりに、"オレもやりたい!!"と名乗り出るエース、だがもう一人名乗り出た者がいた
トレイ『俺もやってみたいな、それ』
『『『えっ!?!?!?』』』
ケイト『わーお、トレイくん積極的~♪』
トレイ『良いだろう?』
レイラに分からないようにユウやエースに意味深に笑う。二人は勿論これ以上ライバルを増やしたくないと思っていたが、決めるのは彼女自身なので黙って反応を見守るしかなかった
『?いいよ』
ユウの隣からトレイの隣へと移ると、口を軽く開けトレイの動きを待った
トレイ『おぉぅ...案外アッサリ過ぎてビックリした。....ほい、あーん』
『美味し...トレイさん、また食べたい』
トレイ『一緒に作ろうな』
『二人で?』
トレイ『二人で』
『....ん。楽しみ』
トレイ『(勝った....)』
ケイト『(さりげなく二人きりの時間作ってるし...)』