第66章 *衝突マックス*
マレウス『..なるほど。そんなことがあったのか。しかし..オーバーブロットするほどの魔力反応を、僕を含めこの学園に集まっている魔法士が誰も気づけないとは』
カリム『ええっ!?外では騒ぎになってなかったってことか?』
マレウス『ああ。少し離れた体育館の側でロイヤルソードアカデミーの生徒たちが歌い、そこに人間たちが群がっていたが..』
ルーク『このコロシアムではマジフトの試合や防衛魔法の試験、寮長の座をかけた決闘なども行われる。元々場外に被害が出にくいように、特殊な結界が張ってあると先生から聞いたことがあるが..』
エペル『それじゃあ、僕たちがヴィルサンを正気に戻せなかったら..』
エース『粘ってても、援軍は来なかったかもしれないってこと?こわっ』
その状況を脳内に浮かべた瞬間、ゾワッとエースたちに鳥肌がたった
『ぅ...ステージ、どうしよ』
ユウ『そこだよね、問題は..』
マレウス『....ふむ。まあ、いいだろう。貸し1つだ、シェーンハイト』
ヴィル『え?』
壊れたコロシアムを悲しそうに見つめるレイラたちを横目で見ていたマレウスは、少し考える素振りを見せた後、ヴィルへと笑みを見せて一歩進み出ると、おもむろに手をゆっくりと持ち上げた
ゴゴゴゴゴ...
すると、マレウスの手に凄まじい程の魔力が収束していき、全員が身を強ばらせる圧がユウたちにのしかかる
グリム『ふな"っ!?なんだ!?全身の毛がゾワゾワするんだゾ!』
ジャミル『ぐっ..なんてプレッシャーだ!』
マレウス『くくっ。ヒトの子よーーお前たちに贈り物を授けよう』
ヴィル『マレウス、何をしようっていうの!?』
マレウス『この程度、解けた織物を織り直すより容易い。さあ、あるべき場所へ、あるべき姿へ戻れ!』
ゴゴゴゴゴ!!!
マレウスの黄緑の燐光が一層輝いたその時、目の前が真っ白に染まった