第66章 *衝突マックス*
そこについては猛反省してくださいね、とユウの周りからオーバーブロットに似たような怒りのオーラがふつふつと沸きだした
ヴィル『わ、分かったわ..兎、その、ごめんなさい。アタシのせいでそんな傷だらけで』
『ううん、私が勝手に突っ込んでいって勝手に怪我したの。だからヴィルさんは謝らないで』
ヴィル『何言ってるの、そんな訳には...今、アタシのこと名前で呼んだ?』
『ん。ヴィルさんのこと、好きだから..』
ヴィル『そ、そう...』
『『『(あ~ライバルが増えたぁぁぁぁぁぁ!!)』』』
名前を呼ばれて少し嬉しそうに頬を緩ませたヴィルに、エースたちは内心頭を抱えてのたうち回った
カリム『レイラは傷だらけで危ない状態だったけど、ちゃんとこうして生きてる。ヴィル、お前はまだ取り返しのつかないことはしてないんだ』
ジャミル『ネージュ・リュバンシェも、今頃7人のドワーフと呑気に踊っているんじゃありませんか?』
エース『つーか、オレらのことあんだけビシバシしごいといて、こんくらいの怪我でリタイアするとかなしでしょ!』
ジャミル『やや苦しいが..レッスンに熱が入りすぎてメンバーで喧嘩をしただけ、ということで』
ヴィル『あんたたち..この騒ぎをなかったことにしようっていうの?』
ジャミル『そうは言っていません。ただ、先生方に事情を説明するのを、大会の後にするだけです』
ヴィル『..ふっ。ジャミル、あんたやっぱり悪い男..うっ!』
だいぶ意識が覚醒してきたヴィルは、制服の汚れをパンパンと払いながら立ち上がる。だがその時軽い目眩と体の痛みを感じ、フラリと体が傾く
ルーク『ヴィル!』
ヴィル『少しよろけただけでしょう。情けない声出さないで』
ルーク『あれだけのダメージを負ったんだ。どうか無理はしないで、私の肩に身を預けておくれ』
そう言ってルークはヴィルの背に片手を回して後ろから支える。文句の1つでもと思ったヴィルだったが、さすがに疲れているのは事実だったため、黙ってルークに身を寄せた
『ん、しょ...』
ユウ『無理しちゃダメだよ。ほら、僕の手に掴まって』
『ありがと』
レイラもユウの手を借りて立ち上がり、その身を静かに委ねた