第65章 *勃発エマージェンシー*
エースたちが必死にヴィルとの戦闘を続ける中、ユウはレイラを抱えて出来るだけ離れた柱の影に隠れた
ユウ『レイラ..起きてっ..このまま死んじゃったりなんて、しないでよ...っ』
『.....』
ユウ『エースたちも先輩たちも、そろそろ危ない。っ、僕が、魔法を使えてたら...』
ユウはレイラを抱き締めながら、エースたちの戦いを見守るだけしかできない自分に腹を立てギッと歯を食い縛った。雨のせいか、抱き締めたレイラの体は余計に冷たく感じていた
[うあああア..うああアアアアア!!!足りなイっ!足りなイ足りなイ足りなイっ!!力が、足りなイ..最近負の力を食べてないせいで、力が足りなイ!!あんな一欠片じゃだめなんダ!もっと、もっと..あのたっぷり負の詰まったインク瓶を喰わないト!!]
『ノ、ア...』
[足りなイ..足りないんだヨ、ウサギちゃン。頼むヨ..ボクを出しテ。彼のブロットを..彼の命をボクにちょうだイ!!!]
『だ、め..っ..ヴィルさんは、死なせないっ..』
[どうしてキミは自分を傷つけたやつらのことを、そこまでして守るんだイ?みんな、みんないつかキミを化け物扱いして、離れていくのニ]
『...っ、好きだから。大好きだから..っ..!守られてばっかじゃ..だめ..私が今度は守る!』
[ああ、ああなんて可哀想、可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想可哀想カワイソウカワイソウカワイソウカワイソウカワイソウ!!!偽物の愛に騙されて、その身を傷つけテ..なにも、なにも残らないっていうのニ]
『ノア...なんで、そんなに..』
ユウ『レイラっ!お願い、目を覚ましてっ!!』
『....行かないと』
[っ、ダメダっ!!ウサギちゃン!!ボクを出しテ!ボクなら彼をすぐにでも殺して、終わらせてあげるかラ!!]
『それこそダメ...あの人は、私が助けたい』
[ウサギちゃン!!!]
[力が足りないせいで、あの子に無理矢理干渉出来なイっ!アアアア!!!欲しイっ!欲しイっ!!黒いあの石でもいイ!!今すぐに喰いたイ!!!]