第65章 *勃発エマージェンシー*
ルーク『普段の君になら是非とも溶かされてみたいね、ヴィル。だけど、今の君にはそうされるわけにはいかない。どうか元に戻っておくれ』
ヴィル『うるさい!アタシが、アタシが世界で1番美しくなるために、何もかも溶かし尽くしてやる!!』
老婆の化身から生み出されたエネルギー体が先程よりも大きく、更に2つに分かれてエペルたちに放たれる
ルーク『エペルくん、防御魔法を!』
エペル『はいっ!』
二人は防御魔法を展開し、エネルギー体を押し留める。だが、その力は凄まじく二人は徐々に後ろへと押し流されそうになる
エペル『くっ..強え!なんてパワーだ!』
ルーク『っ..諦めてはいけないよエペルくん。我らが美しき毒の君を取り戻すんだ!』
ヴィル『おだまり!骨の髄まで粉々にしてあげる!』
カリム『ヴィル!!!』
ヴィル『なにっ!?うあ"っ!!!』
突然、ヴィルの横から巨大な大波が押し寄せ、瞬く間にヴィルと化身を飲み込んだ
それはまるで意思を持つようにヴィルにだけ襲いかかった
化身がいなくなったことで操り手の消えたエネルギー体は威力を弱めていき、やがてふわりと消滅した
ルーク『カリムくん、今のは?』
カリム『オレのユニーク魔法、枯れない恵みとこの降ってる雨を合わせて大きな水の塊を作ったんだ』
ジャミル『それを俺とエースたちの浮遊魔法と変形魔法を組み合わせ、大波へと変えてヴィル先輩にぶつけたんです』
エース『ぜえ、ぜえ...ちょ、ちょっとジャミル先輩っ!オレらまだそれ修得してないんすけど!?』
デュース『い、いきなり高度な魔法の複合をやれなんて言われて...つ、疲れた..』
『はぁ..はぁ..』
ジャミル『俺1人の魔力じゃ足りなかったから、お前たちに協力してもらったが。やれやれ、結局俺とレイラしか主に魔力使ってないじゃないか』
エース『いやいやいや!んなこと言われても急に慣れない魔法使えって、しかもそれを組み合わせろなんて無茶ぶりもいいところでしょ!?』
ユウ『カリム先輩の水の塊を浮かせたまま波へと変形、それをヴィル先輩へと軌道修正して放つ。簡単そうに見えるけど、魔法が使えない僕でも分かるほど大変な作業だ』