第65章 *勃発エマージェンシー*
2・3年のカリムたちは、避けながらも何とか魔法で防御したりしていたが、まだ魔法の扱いに長けていない1年生たちは、ひたすら避ける事しかできないでいた
エース『うわっつ!!あっぶね、裾だけ溶けた..ってやばっ!!』
デュース『エースっ!ボケッとしてんじゃねぇ!!おわっ!!』
『っ...わっ!!』
『『レイラっ!!』』
突然足をもつれさせてその場で転んだレイラに、毒林檎が迫り来る。慌ててエースたちが駆け寄ろうとするが、確実に間に合わないその距離に必死に手を伸ばす
すると、
エペル『レイラチャン!!!』
『『エペル!!』』
ギリギリのところでエペルが横から滑り込み、レイラを抱えて地面を転がるように飛び退いた
エペル『いっててて...』
『っ、林檎くん!大丈夫!?』
エペル『僕は平気。レイラチャンは?怪我はない?』
『私も大丈夫...ありがと』
エペル『良かった。君を守ることができて』
エペルは優しく微笑むと、レイラの体を支えながら立ち上がり、マジカルペンを構え直す
エペル『レイラチャンは、俺が守る!』
ヴィル『エペル、あんたにその兎を守れるかしら?一度もアタシに勝てたこともないあんたが』
エペル『今日は何がなんでも勝つ!!』
ヴィル『その生意気な口、すぐに塞いであげる!どろどろに溶かされて惨めに消えなさい!』
毒林檎の猛撃や、禍々しいオーラのエネルギー体がエペルをめがけて放たれていく
エペル『っ!!』
エペルはレイラたちから離れ、1人囮となるように逃げ回り始める。だが、息もつかせないほどの攻撃の嵐に、エペルは追い詰められていく
エペル『っ、しまった!』
ヴィル『消えなさい!』
周りを囲むように毒林檎を落とされ、逃げ場のなくなったエペルの頭上に禍々しいエネルギー体が降り注ぐ
ルーク『エペルくん!!』
バシュ!!
そんなエペルの前に庇うように現れたルークの放った魔法がエネルギー体と相殺して弾けとんだ
エペル『ルークサン!』
ルーク『エペルくん。先程、兎の君を救った君の姿..とても美しかったよ』
ヴィル『ルーク!あんたもエペルと一緒に跡形もなく溶かしてやる!』