第64章 *開幕ボルテージ*
?『ナイトレイヴンカレッジの代表選手のみなさん!リハーサルのお時間です。スタンバイお願いします!』
ヴィル『今行くわ。それじゃあね、ネージュ』
ネージュ『うん!ヴィーくんたちのパフォーマンス、楽しみにしてる』
最後まで笑顔を絶やさず手を振るネージュに背を向けると、ヴィルの表情は徐々に歪み始める
ヴィル『ーー呑気に笑っていられるのも、今のうちよ。完璧なパフォーマンスで、完膚なきまでに叩き潰してあげる』
ルーク『.....』
『毒の人...大丈夫?』
ヴィル『!!兎...なによ、大丈夫に決まってるでしょ。変な心配してないで、あんたはアタシたちのパフォーマンスを見ていなさい』
『...ん..』
若干の不安を抱きつつも小さく頷くと、ヴィルはエースたちを呼び集め、リハーサルのために舞台にあがる
一方レイラたちは、パフォーマンスの邪魔にならないようにと、舞台の端へと寄って見守ることにした
ユウ『ヴィル先輩が気になる?』
『ん..なんか悲しそうな目、してたの』
ユウ『そっか。でもきっと大丈夫。何かあってもエースたちがいてくれるから』
『ん...』
リハーサルのパフォーマンスを終え、エースたちがステージを降りてユウたちの元へと歩いてくる
カリム『ユウ、レイラ、グリム!どうだった?オレたちのパフォーマンス!』
ユウ『格好良かったです!』
『みんな、すごい...息ぴったりだった』
エペル『舞台の上、レッスン室に比べてスゴく広くて..でも、のびのび踊れて気持ちよかった、かな』
ジャミル『ふん、君も言うようになったじゃないか』
ヴィル『今の映像、すぐに確認したいわ。正面じゃなく、舞台サイドからの見え方が知りたい』
?『お疲れ様、ヴィルくん!最高のパフォーマンスだったよ!感動で痺れちゃったなあ!』
映像を録画していた関係者に声をかけるヴィルの元に、カシャカシャとシャッターを切りながら報道陣が次々と集まってくる
ユウ『げ...』
『ぅ...』
ヴィル『兎を連れて下がってなさい』
ユウ『はい』
ヴィルはレイラを庇うようにさりげなく背で隠すと、ユウに連れていくように言い付け、自ら報道陣の方へと近づいていった