第64章 *開幕ボルテージ*
そんなヴィルの後ろから、ルークを筆頭にエースたちもぞろぞろと集まってきた
ルーク『文化祭の空気は味わえたかい?』
グリム『会場の外、当日券にスゲー人が並んでるんだゾ!』
カリム『本当か?盛り上がりそうで嬉しいな』
ジャミル『カメラの台数や報道関係者もかなりの数だ。やはりヴィル先輩やネージュが出場するからだろうな。
文化祭を回っている間、身バレするようなことは起きてないだろうな?』
『大丈夫..ユウとかリドルさんにくっついて、隠れるようにしてたから』
ジャミル『ならいい。ここからも気を抜くんじゃないぞ』
『ん』
グリム『そうだ。エース、デュース、エペル。リドルやジャックが、本番で失敗したらシメてやるって言ってんだゾ!』
ニヤニヤと意地悪げに笑うと、3人の頬に冷や汗がツウッと垂れた
デュース『うっ、プレッシャーをかけないでくれ』
エペル『ぼ、僕も緊張してきた...』
エース『これからリハで、本番まではあと3時間もあるじゃん。今から緊張してどーすんだよ』
ヴィル『そうよ。本番でミスをしないためにリハーサルがあるの。VDCは毎年、開催地になった学校のチームがトップバッターで出演することが決まってる。
アタシたち以外が全員ジャガイモに見えるくらいのパフォーマンスを見せてやろうじゃない』
『『『おう!』』』
ヴィルの言葉に全員が大きく返事をしたその時、
?『...ヴィーくん?』
ヴィル『え?』
聞きなれない声に全員振り向くと、そこにはいつかマジカメのCMで見たネージュがそこに立っていた
白を基調とした制服に青と黄色のニットに身を包んだネージュは、ヴィルの姿を見つけると嬉しそうに顔を綻ばせて小さく手を振る
ネージュ『やっぱり、ヴィーくんだ!』
ヴィル『...ネージュっ!?』
ネージュ『久しぶりだねっ、元気にしていた?今年のボーカル&ダンスチャンピオンシップ、ヴィーくんが出るってニュースで知って、会えるの楽しみにしてたんだ!』
ほわんとした空気をまとい、ネージュは評判通りの愛らしい笑みでヴィルに笑いかける