第64章 *開幕ボルテージ*
突然リドルたちの目の前に、ふわふわと首だけの青年が現れた
グリム『うわーーーー!生首お化け!!』
『ぁ..猫、さん』
『『チェーニャ!?』』
グリム『あっ、よく見ればお前!ハーツラビュルの庭で会った、にゃあにゃあ言う変なやつ』
その青年はいつかハーツラビュルの事件後、なんでもない日のパーティーに現れたチェーニャだった。生首の状態からジワジワと体を出現させながら、チェーニャは金色の瞳を細めた
チェーニャ『ンッフッフ。猫のようなヒトのような、魔力を持った不思議なやつ。
アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカーとは俺様のことだにゃあ』
?『あっ、チェーニャ先輩。トービーたちがどこにいるか知ってるの?』
チェーニャ『おみゃーたちが探してるお友だちなら、あっちに行ってこっちに曲がったところを、そっちに行ったぜぃ』
そう言いながら親指でクイクイと指し示す。ユウたちにはさっぱりだったが、ドワーフたちには分かったのか、チェーニャたちにお礼を言うとその方向へ向かっていった
トレイ『チェーニャ、彼らと知り合いだったんだな。助かったよ』
チェーニャ『あいつらはうちの学校の2年生だで。顔くらいは知っとるよ。それに俺、道案内は得意だからにゃあ』
リドル『久しぶりだね、チェーニャ』
チェーニャ『おー、リドル。おみゃーも元気にしてたかにゃ。去年のなんでもない日のパーティーぶりか?結局ホリデーは一度も顔を出さんかったじゃにゃーの』
リドル『ああ..連絡をくれていたのに、不義理をしてすまなかったね。僕は特に変わりはないよ』
トレイ『チェーニャ、悪いけど運営委員の仕事の途中なんだ。開場直後でバタバタしてる、ゆっくり話をするのは後にしよう』
チェーニャ『そりゃご苦労さん。そいじゃあ...っと、去る前に』
何かを思い出したように消しかけていた体を戻すと、リドルにくっついているまだ少し警戒しているレイラへと手を伸ばし、サッとその体を抱き寄せた