第63章 *到頭オープニング*
トレイ『ん?ウミガメって、俺のことか?』
グリム『ぐぬぬ..アザラシってあだ名の由来を知ってから、呼ばれる度に馬鹿にされてる気がするんだゾ』
ユウ『愛着を込めてるらしいからそんな怒んないで』
『おなか、丸々だから..だっけ?』
グリム『レイラっ!!』
『んふふ、ごめん。そういえばフロさん、どうしてここにいるの?エースとジャミさんから聞いたけど、フロさんもバスケ部、なんだよね?』
リドル『そういえばそうだね。バスケ部は体育館のブルーステージ設営担当。まだ作業中のはずだけど?』
フロイド『気分アガんなくて、ダラダラしてたら追い出されたぁ。あはっ』
リドル『文化祭は生徒が力を合わせて作りあげるものだ。気分1つで与えられた役目を放棄するだなんて、ルール違反以前の問題だぞ!』
堂々とサボったことを悪びれもなくカミングアウトしたフロイドに、リドルは眉をひそめて叱咤する
フロイド『いーじゃん。部長が帰って良いって言ったんだからさぁ。それにオレぇ、午後からはモストロ・ラウンジの仕事で重たいタンク背負ってドリンクの移動販売に行かなきゃいけねーし。
あー、やだやだ。ジェイドは働かなくて良いのに、なんでオレだけ』
オレもゴマちゃんたちと遊びに行きたい、と駄々をこねるようにジェイドからレイラを掠めとり(キノコはジェイドに返させた)、強く抱き締める
『うきゅ...』
リドル『僕たちは文化祭運営委員の任務中で彼女達も僕らの付き添いだ!遊んでいる訳じゃない』
ジェイド『ふふ。フロイド、そう拗ねないで。ドリンクの移動販売で一番営業成績が良かったスタッフには、アズールから特別ボーナスもあるそうですから』
フロイド『そういうの、ぜんっぜん興味ねぇ~って知ってるくせに。大体さ、山を愛する会って、いつも山登ってんでしょ?ほぼ運動部じゃね?
こんな時だけ文化部ヅラすんなよ』
段々と言葉に殺気を込めたような声色になり始めたフロイドは、無意識に腕の力を強めていた
『ぅ...フロさ..痛い...』
フロイド『!!...ごめんねぇ..』
痛がる声にハッと気づくと、慌てて力を緩めてお詫びと言わんばかりに頭を撫でた
『大丈夫。今からは、優しくして?』
フロイド『りょーかい』