第63章 *到頭オープニング*

トレイ『へえ、色々考えてるんだなぁ。勉強になるよ』


アズール『寮長の僕や副寮長のジェイドを始め、オクタヴィネルは文化部所属の寮生が多い。来客でラウンジが大混雑してしまうと、対応しきれない可能性が高かったので』


リドル『そういえば、ジェイドは自分で同好会を立ち上げて活動をしているんだったね。"山を愛する会"今回、ブースの申請があったよ。名前からして、運動部に類する同好会だと思っていたのだけど、文化部なんだね』


『何する部活なのかな？』


アズール『さあ..僕も詳しくは知りませんが』


グリム『あんなおっかねぇやつが作った部活なんて、絶対こえー活動だろ。山でやべーもん掘り起こしたり、怪しいもん埋めたりしてるに違いねぇんだゾ』


ユウ『さすがにそれは無いんじゃ..』


リドル『あのジェイドならありえるな。様子を見に行ってみようか』


ユウ『まさかの信用度ゼロ』


リドル『"展示"と申請を受けているけれど、何か良からぬ事を企んでいるかもしれない』


アズール『ええ。是非見に行ってあげてください。きっと喜ぶでしょう。どうせ、一人で暇を持て余しているでしょうから』


ニコニコと含みのある笑みを浮かべるアズールに僅かな疑問を抱きつつも、リドルたちはジェイドのいる展示ブースへと向かうことにした


『アズさん、またね』


アズール『ええ、また』

















アズール『イデアさん』


イデア『ひっ！な、なに..』


アズール『レイラさんはとても愛らしい子兎さんでしょう？』


イデア『な、なにいきなり。まあ、確かに可愛かったけどさ』


アズール『彼女は僕のものだ』


イデア『！！！』


普段のアズールからは聞こえない地を這うような低音に、イデアは畏れとも呼べる感覚が寒気となって背筋に走った


アズール『それだけです。では、失礼』





イデア『...なにあれ牽制のつもり？そんなことしなくたって別に狙ってないし。つかさっきのアズール氏、目が本気過ぎて草すら生えませんわ。


でも...』


イデアの脳内に、先程アズールとレイラが仲睦まじく会話し、抱き締め合っている光景が鮮明に映し出される













イデア『ちょっとだけ..羨ましかったな..』