第63章 *到頭オープニング*
オルトによるVRすごろくの説明が行われ、グリムたちが興味津々に聞いている中、レイラは見知った人物の気配に耳をピンと立てて振り向いた
『ぁ...アズさん』
アズール『こんにちはレイラさん。今日もとても愛らしいですよ』
恭しく頭を下げると、慣れた手つきでレイラの手を取り甲に口づけた
『アズさんもボードゲーム部?』
アズール『ええ。是非遊んでいってください』
『ん。でも今リドルさんたちと見回りの途中なの。VDCももうすぐだから、終わったら遊びに行くね』
アズール『それはそれはご苦労様です。では忘れずに来てくださいね?お待ちしてますよ』
『ん』
アズール『....レイラさん』
『なぁに?..わ..』
アズール『失礼。抱き締めても?』
言い終わらないうちにアズールはレイラを腕に閉じ込めていた
『んふふ..いいよ』
背中に手を回して胸に頬を寄せると、アズールの少し早い鼓動が心地よく聞こえ、レイラは安心感に包まれた
アズール『はぁ...可愛い。そういえば、今日はユウさんの制服を借りているのですね。そちらもお似合いですよ』
『どうして知ってるの?』
アズール『ふふ..秘密です』
『そっか..』
アズール『僕らにできることがあれば何でも言ってくださいね。僕も、あの双子も、貴女の力に喜んでなりますから』
『ありがとアズさん』
ユウ『とか何とか言ってる間にいつの間にかレイラが指定暴力団に捕まってたぁぁぁ!!』
アズール『今頃気づいたんですか?というより、誰が指定暴力団ですか。失礼な方ですね』
リドル『アズール。そういえば君もボードゲーム部だったね。こういう行事の日はモストロ・ラウンジの運営に精を出しているのかと思っていたけど』
アズール『いやですね。僕も学生ですよ、リドルさん。文化部員としてキチンと文化祭に参加しますとも。
それに今回は暇人ども..いえ、いくつかの運動部と提携しまして。店舗だけでなく各特設ステージの客席でも、ドリンクを移動販売することにしたんです。
やはり、今回の文化祭の目玉はパープルステージで開催されるVDCですから』