第63章 *到頭オープニング*
震える声で饒舌に喋り出すイデアにリドルたちはポカンと聞いているしかなかった
イデア『はぁ、マジ凄いっすわ。リドル氏だけじゃなくてトレイ氏ともデキてる感じ?そしたらレオナ氏、アズール氏、カリム氏のところもみんな攻略されてますわな。そりゃそうでしょ、明らかに守ってあげたくなる系女子が主人公じゃ全キャラ攻略最速クリアなんて楽勝なんだろうな..』
トレイ『えっと、イデア?』
イデア『ぁ....』
トレイの呼び掛けにハッと我に返ると、イデアは慌ててレイラを見上げた。その目にはイデアの饒舌な語りに驚いて、トレイの腕に隠れるように身を寄せるレイラが映る
イデア『ひひっ..早速好感度マイナススタート。まあ下がったところでこの陰キャに愛されヒロインとのイベントなんて起こるわけが...』
『青い...ユラユラ...凄くキレイ..』
イデア『へ?』
『『『(あ、嫌な予感..)』』』
『その目もキレイ..お月さまみたい』
グリム『こいつ、ほんと無責任に褒めるんだゾ。そんなことしたら..』
イデアは深紅の瞳が面白いものを見つけたように優しい光を帯びて細られるのを放心状態で見つめていた
そして、小さく震える唇を何とか動かして一言ポツリと呟いた
イデア『.......推せる』
『『『(やっぱり敵が増えたぁ!!)』』』
3人はイデアの反応に頭を抱えて心の中で唸り声をあげた
イデア『!!..い、いきなり初対面の相手に褒められても..反応に困る..』
『...ごめん』
イデア『も、もう行って...オ、オルト~』
助けを請うように弟であるオルトを呼ぶと、フワフワと浮遊しながらオルトが上から姿を見せた
オルト『リドル・ローズハートさん、トレイ・クローバーさん、ユウさん、レイラ・フィリアスさん、グリムさん、こんにちは!ボードゲーム部の展示ブースへようこそ!
ここでは古今東西、色々なボードゲームを部員たちと一緒に遊ぶことができるよ。それから、兄さんが開発した魔導式VRマジカルすごろくも!』