第63章 *到頭オープニング*
グリム『エリート!!オレ様も大魔法士になればその魔法機動隊ってのになれんのか?』
エリートと聞いてグリムの大きな耳がピンと立ち、目をキラキラさせながら前のめりに問うと、リドルは考えるように顎に指を添えて答える
リドル『モンスターが入隊したという話は聞いたことないけれど、多様性の時代だからね..努力によっては、可能性があるかもしれない』
ユウ『色々な職業があるんですね』
リドル『ふっ。現代の魔法使いは、箒で空を飛べるだけじゃダメだということさ。君たちも将来のことを考えて、規律を守ってしっかり勉学に励むことだね』
グリム『うへぇ。オメー本当に二言目にはそればっかなんだゾ~』
リドル『質問しておいて何なんだい、その言い草は。失礼な』
むすっと眉をひそめるリドルに苦笑いしながら腰を屈め、グリムの頭を軽くポンポンと叩く
トレイ『ははっ。1年生の内は、将来のことなんて言われても実感湧かないよな。文化祭では研究発表のような硬い展示だけじゃなく、気軽に入れるブースも沢山あるぞ。
そうだ。俺の所属するサイエンス部は、"観葉植物カフェ"をやるんだ。少し見て行かないか?』
グリム『カフェ!食い物もあるのか?行く行く!』
トレイ『ほら、レイラたちも行こう』
『トレイさん...手、繋いでいい?』
トレイ『勿論』
ユウ『くそぅ..レイラが取られた』
リドル『君はいつでも一緒にいられるだろ。たまには僕らにも譲ってもらわないと』
植物園-温帯ゾーン
ユウたちが植物園に足を踏み入れると、そこにはいつも開けた空間が広がっているところに、テーブルや椅子がいくつも並べられていた
グリム『ふなぁ~。温室にいっぱいテーブルセットが並べてあるんだゾ』
サ部A『あっ、トレイ先輩!』
サ部B『お疲れ様です!』
少し歩くと、準備に勤しんでいたサイエンス部員がトレイの姿に気づき、こちらへ駆け寄り軽く会釈をした
トレイ『お疲れ。開店準備、手伝えなくて悪いな』
サ部A『いえ。昨日はカフェメニューの仕込みを遅くまで手伝ってもらったので』
サ部B『ルーク先輩なんか、トレイ先輩の淀みない手際を讃えて詩を詠んでいるだけでしたし』