第63章 *到頭オープニング*
〔No side〕
その後、全員に頭を撫でられたり抱き締められたりという慰めを受けたレイラは、他の展示ブースや控え室の見回りに行くというリドルたちに着いて校内を回ることになった
『う~...レオさんたちにポテト殆ど食べられちゃった』
ユウ『また買ってあげるよ。他にも美味しそうな屋台あったから、この後色々食べようね』
『ん。ね、リドルさん。展示ブースって、何があるの?』
リドル『展示ブースでは、文化部を中心に作品の発表や物販が行われる。四年生による研究や調査の成果が展示されているブースもあるから、興味があれば覗いてみるといい』
グリム『そういや、クルーウェルが文化祭には4年生が戻ってくるって言ってたんだゾ。普段は学園で姿を見ねぇけど、どこにいるんだ?』
トレイ『4年制の魔法士養成学校なら、殆どの場合4年目は学外へ実習に出ることになる。俺も来年はどこかへ派遣されて、ごくたまにしか学園に戻ってこなくなるはずだ』
『ぇ...そう、なの?』
トレイ『そう泣きそうな顔するな。戻ってきたときはたっぷり甘やかしてやるから』
『ぅ...』
そう遠くない未来、トレイと会えなくなるという事実に胸が締め付けられる想いを抱え、それに押し潰されないようにと彼に寄り添うと、大きな手が優しく自身の手を包み込んだ
『......実習ってなに、するの?』
リドル『行政組織内にある特殊チームでの実習を希望する人もいるし、遺跡の発掘や調査、古文書の解読などを希望する人もいる。一般の魔法関連企業のインターンに出る場合もあるよ』
ユウ『行政組織内にある特殊チーム?』
トレイ『ああ、そういえばユウは魔法がない世界から来たんだったか?それじゃあ馴染みがなくて仕方ないよな。レイラは知ってるか?』
『あんま詳しくないけど、消防の人とか警察の人の中にそういうチームがあるのだけ』
トレイ『それで合ってるぞ。そしてそのエリートチームの中でも一際優秀な魔法士を集め、様々な要請で特殊任務につく国際機関"魔法機動隊(マジカルフォース)"は、小さい頃から憧れているやつが多いイメージだな』