第63章 *到頭オープニング*
レオナの指摘に、レイラは顔を俯かせて小さく拳を握りしめ、ポツリと言葉をこぼした
『....ほんとはこんな隠れる感じに学園祭に参加したくない。もっと自由にみんなと屋台回りたいし、ほんとはVDCにも出てみたかった。もっと、自由に過ごしたい。なのに、なんで..』
レイラの声が余りにも悲痛で、その場の全員が口を閉ざして黙り込んだ。小さな彼女の抱える大きすぎる宿命に理解しても、その本質までは分からない彼らはかける言葉を失っていた
『(またみんなを困らせた..)ごめん、私の問題なのに..』
リドル『レイラ』
『..ん』
せめて何かしてやれないかと、リドルは両腕を広げてレイラを呼ぶ。それを見て素直に収まりにいくと、優しく髪を撫でられる
リドル『すまない。今の僕には気の利いた言葉が思いつかない。だけど、これだけは言わせてほしい。
君は何も悪くない。君が黒兎であることは何一つ悪くないんだ』
『....』
リドル『周りを見てごらん。少なくともここにいる生徒は君が少しでも過ごしやすくなればと、自由にしてあげたいと心から望む者ばかりだ』
ラギー『そうっすよレイラちゃん。オレたちは、レイラちゃんの笑った顔が何より好きなんすよ。その為に出来ることは何でもしてあげたいって思う』
トレイ『だから、さっきみたいに抱えてる想いとかを素直に吐き出すことに何も罪悪感なんて感じなくていいんだからな?』
ジャック『俺らに解決できるとは言わねぇし、聞くことしかできねぇかもしれない。だけど力になりたいって本気で思ってる』
『..やめて』
ユウ『レイラ?』
『..これ以上優しい言葉かけられたら..泣いちゃいそうだから..やめて』
リドルの肩口に顔を埋めて小さく肩を震わせるその姿は、この世で最も小さくか弱い生き物を彷彿とさせた
レオナ『はぁ..この甘え下手が』
レオナはため息をつくとその頭にポンと手を乗せて優しく叩いた
レオナ『普段甘えまくるくせに、こういうことに関しちゃ臆病になりやがって』
『ごめん..』
ユウ『いつも言ってるでしょ?僕らを頼ってって』
『ん....
みんな、お願いがあるの。
私を..守って』