第63章 *到頭オープニング*
トレイの言葉にハッとなった二人は慌ててレイラへと視線を向けた。すると少しだけ困ったような表情で二人を見つめるレイラと視線が合う
リドル『す、すまない』
レオナ『...ちっ..』
『レオさん、リドルさんのとこ行ってもいい?』
レオナ『......あぁ、行ってこい』
『ありがと』
不服そうに答え腕を解放すると、レイラはトテトテとリドルの元へと歩いていった
トレイ『(やれやれ..)さて、運動部のみんな。朝から力仕事ご苦労さん。運営委員から、温かい飲み物の差し入れだぞ』
ラギー『お、こりゃ気が利いてるっすね!野外での作業で、尻尾の先まで冷えきってたとこっす。ありがたくゴチになりまーす』
トレイから袋を受けとると、嬉しそうに中から温かい缶コーヒーを手に取り早速飲み始めた
リドル『それで?レオナ先輩。設営の進捗状況はいかがです?』
レオナ『ご覧の通り、報告するほどの遅れもねぇよ。あとは照明と音響の軽いテストをしたら、12時からのリハ待ちだ』
リドル『よろしい。このパープルステージは世界が注目するボーカル&ダンスチャンピオンシップが行われる。世界中から集まる代表選手のためにも、細心の注意をはらって最終チェックを』
レオナ『へーへー』
ラギー『そうっすよぉ。世界中から金ヅル..じゃなかった。お客様が来るんすから。運営委員さん、トラブルが起きねぇようにしっかり監督よろしくお願いするっす』
リドル『君がそれを言うのかい?まったく..
それで、さっきから気になっていたのだけれど、今日のレイラの服装は何か理由があるのかい?』
『んと...ね..?』
リドルは隣で寄り添うレイラの服をジッと見つめながら問うと、レイラは苦笑いで事情を説明した
リドル『...なるほど、そういうことか』
トレイ『レイラの過去と黒兎であることを考えたら、確かにそういう対処をとるのが一番だな』
ラギー『...レイラちゃん。ちゃんと学園祭楽しめるっすか?』
『ん....大丈夫』
レオナ『その割には全然大丈夫じゃねぇってツラしてるがな』