第63章 *到頭オープニング*
そう言ってヴィルは三人分のパスを手渡すと、改めてユウたちに向き直った
ヴィル『ただし、12時からのリハの時間にはコロシアムに集合よ。いいわね』
『ん』
エース『えー、いいな。オレも文化祭回りたい』
カリム『オレも、オレも!』
ヴィル『あんたたちはダメに決まってんでしょ!アタシの話聞いてた?文化祭は2日間あるんだから、遊ぶのは2日目になさい。今はVDCのステージに集中して』
遊びに行きたがるエースたちをピシャリと黙らせると、"最終確認始めるわよ"とミーティングを開始した
サイドストリート-フェスティバル
リハーサルまでの時間、ユウたちはヴィルの言うとおり学園祭を回ることになり、サイドストリートにズラリと並ぶ屋台を見回しながら歩いていた
グリム『ほあー!ユウ!食い物の出店がいっぱいあるんだゾ!』
ユウ『マネージャーとして先に舞台を見ておきたいし、パープルステージに行こうか』
グリム『え~~?お前、なに急にマネージャーの使命に目覚めてるんだゾ~』
出店の食べ物の食欲を誘う匂いに釣られフラフラと行ってしまいそうなグリムを小脇に抱えて歩き出す
グリム『や~だ~!!食いたいんだゾ~!!』
ユウ『はいはい、後でね』
『ユウ』
クイッと袖を引かれ立ち止まり横を見ると、僅かに瞳を潤ませたレイラが上目で見つめていた
ユウ『な、なに//?』
『フライドポテトだけ...だめ?』
ユウ『う"っ....!!可愛い!仕方ない..いいよ?』
グリム『オメー、オレ様の時と対応違うんだゾ!!』
ユウ『仕方ないでしょ!!可愛すぎるのが悪いんだよ!』
『グリムも買お?』
グリム『おう!いっぱい食べてやるんだゾ!』
ユウ『てかグリムが買うってことは僕の懐から出すってことじゃん..』
レイラの上目遣いに勝てるはずもなく、仕方なしにフライドポテトの屋台に並んだユウは、"もっと食う"とごねるグリムを抑えて2つ購入した
ユウ『はい、レイラ』
『ごめん、私の分まで買ってくれて。お金..』
ユウ『いいよ。これぐらい出させて』
『..ありがと。じゃあ、はい、あーん』
ユウ『あーん♪』
グリム『モグモグ..オメーそれが目的だろ』