第63章 *到頭オープニング*
コロシアム・特設ステージ
フライドポテトを片手にコロシアムへ足を踏み入れると、そこには見慣れない大きなステージが建築されようとしていた
グリム『おわ~!いつものコロシアムにでっけぇステージが出来てる!』
ユウ『あれ?建設してるのって...』
『ぁ....』
ユウが指差す先にいた見知った人物たちにレイラの瞳がパアッと輝いた
ラギー『オーライ、オーライ..ストップ、ジャックくん。ポールはそのまま真っ直ぐ下に降ろして』
ラギーの指示に従い、ジャックはマジカルペンを片手に長い大きなポールを浮遊魔法で浮かせていた
ジャック『うっす。...浮遊魔法の正確なコントロール、結構難しいな』
不馴れな魔法にフラつくも、何とか所定の位置にポールを降ろすとふぅと一息をついたジャックの後方で、レオナの指示が飛ぶ
レオナ『おい。関係者席は先に色ついたビニールカバーかけておけっつったろうが!さっさとしろ』
『『『はい!すんません!』』』
グリム『あっ、あそこにいるのサバナクローのやつらじゃねぇか?おーい!』
グリムがポテトを片手にサバナクローの3人に手を振りながら近づくと、3人もそれに気づきこちらへと目を向けた
ラギー『おやまあ、オンボロ寮の子猫ちゃんたち。設営の手伝いに来てくれたんすか?しししっ』
『レオさん、ラギさん、ジャック...』
ラギー『やっほーレイラちゃん。美味しそうなもの持ってるっすねぇ?一口くれないっすか?』
『いいよ、頑張ってるラギさんにお裾分け。はい、あーん』
ラギー『むぐ...うわ、ちょ~美味い』
レオナ『俺にも寄越せ』
『はい、レオさん』
レオナ『ん』
『レオさん、みんなにテキパキ指示出してるの凄くカッコ良かった...』
レオナ『!!....惚れ直したか?』
『レオさんのことは毎日好きになる』
小さく微笑んで答えると、レオナは満足したように笑みを浮かべてレイラを片手で抱き寄せた
『(あったかい..)あ、ジャックも食べる?あーん』
ジャック『っ...じゃ、じゃあ..』
少したじろぎながらも差し出されたポテトを口に入れ、上機嫌に尻尾を振ったジャックだったが、レイラを抱き締めるレオナに睨まれ一歩後方に下がった