第62章 *直前プラクティス*
それから2週間後ーーー
ポムフィオーレ寮・ボールルーム
いつも通りボールルームに集まったユウたちだったが、各々の顔にはVDCが間近ということもあって、強ばりが見えていた
ヴィル『ついにボーカル&ダンスチャンピオンシップまで1週間をきったわ。今日からは衣装を着ての練習よ』
エース『本番の衣装って、学校の制服なんすか?』
普段練習では運動着を着ていたエースたちだったが、今日は全員制服に身を包んでいた
ルーク『そうとも。なにせ我々は学園の代表として舞台に上がるのだからね』
ヴィル『それにフレッシュさを感じるボーイズグループの衣装としても、制服はベストな選択。勿論ダンス用にストレッチを効かせた特別製よ。手配してくれた学園長に感謝しなさい』
ヴィルが目を向ける先には、ニコニコとこちらを見ているクロウリーが立っていた
学園長『これくらいお安い御用ですよ。学園PRへの投資...ゴホン!私としても、みなさんには100%の力でのひのび踊っていただきたいですから』
カリム『オレはもっと派手な衣装が良かったんだけどなあ』
ジャミル『決まりなんだ。仕方ないだろ』
と言っていると、パンパン!とヴィルが手を叩き、全員の視線を集める
ヴィル『お喋りはそこまで。それじゃあ、一曲、最後まで通すわよ』
『『『はい!!!』』』
ユウ『ミュージック・スタート!』
慣れた手つきで曲を再生すると、全員の顔が真剣なものになり、クロウリーの前で御披露目という形でダンスが始まった
最後のメロディーが終わると、クロウリーは体をプルプルと震わせて歓喜の声をあげた
学園長『おお..おおお~~~っ!素晴らしい!なんて息がピッタリなパフォーマンス!やはりプロデュースをシェーンハイトくんに任せたのは正解でした。流行の最先端の曲、キレのあるダンス、高い歌唱力で表現される、メッセージ性溢れる歌詞
どれをとっても一流です!』
仮面の奥の黄金の瞳をこれ以上ないくらいに嬉しそうに細めながらクロウリーは褒め称える