第61章 *苦悩シャウト*
デュース『ふぅ..ただいま』
エペル『さすがデュースクン、足速いね』
デュース『エペルこそ。何だかんだ言ってほぼ僕と並走してただろ』
罰のランニングを終えた二人が爽やかな汗をかきながらオンボロ寮へと戻ってくると、談話室の方から騒がしい声が響いているのが聞こえた
デュース『何だ?』
エペル『随分と騒がしい、ね』
エース『お、落ち着けってマジで!!っておい!お前らも手貸せ!!』
後ずさりするように廊下へと出てきたエースが二人に気づくと、勢いよく走り寄り腕を掴み、談話室へ無理やり引っ張り始めた
デュース『おわっ!!なんなんだいきなり!!ちゃんと説明しろ!』
エペル『ど、どうしたのエースクン!?』
エース『嫉妬したユウが暴走してんの!とりあえず落ち着かせるために抑え込んでんだけど、あいつ魔法使えねぇ代わりに腕っぷしだけ一丁前に強いんだよ!』
エペル『ぼ、暴走って..』
デュース『なんか見覚えというか、心当たりはいくつかあるな。とにかく行ってみよう』
3人が談話室に到着すると、部屋は散らかっていないものの、まるでオーバーブロットしたかのような黒いオーラを纏いながら、目の前のジャミルに襲いかかっているユウの姿があった
ジャミル『待て待て待て!!落ち着けユウ!』
ユウ『やかましい!!もう我慢できない!あの子と寝るのは僕だけの特権だったのに!ぽっと出の野良犬共が揃いも揃って群がってきやがって!!』
エース『うっわ、いつも以上に露骨に口悪...』
カリム『ユ、ユウ?まぁ落ち着けよ。あと少しで合宿も終わるだろ?そうしたらいつも通り、一緒に寝られるぞ?』
ユウ『そんなの分かるか!!終わってもそっちから近づいてきて、あの子を食うつもりなんだろ!!知ってんだよ!』
エペル『凄い、変わりようだね..』
デュース『嫉妬に耐えきれず暴走するのは何度かあったが、ここまでなるのは初めてだな。よっぽどこの合宿期間、レイラをとられるのが堪えたか』
エペル『そういえば、当の本人は?』
エース『あ~、ユウがあの調子だから巻き込まれて怪我しねぇようにルーク先輩とヴィル先輩のとこに預けてる。また泣かねぇようにってのもあるけど』
エペル『ヴィルサンたちのところなら多分大丈夫、かな?』