第61章 *苦悩シャウト*
エペル『はい。僕..もっともっと、強くなります。ネージュも、貴方も倒せるくらい、強く!』
ニヤリと微かに素の表情を見せたエペルに、ヴィルはも挑発めいた笑みで返した
ヴィル『..へぇ、言うじゃない』
ルーク『ふふふっ、どうやら雛鳥たちととても反省しているようだ。許してあげては?毒の君』
ヴィル『..はぁ。確かにここでガミガミ怒っても意味がない。二度目はないわ、覚えておきなさい』
『『はいっ!』』
ヴィル『元気よく返事してるんじゃないわよ。二人とも体力があり余っているようね。罰として、寮の外を30周ランニング!』
『『はいっ!ランニング、行ってきます!』』
罰を与えられたにも関わらず、二人は晴れ晴れとした顔と声で返事をすると、早速ランニングに駆け出した
カリム『ちょっとトラブルはあったみてーだけど、あいつらが元気に戻ってきて良かったな!何だかスッキリした顔してたし』
ジャミル『大問題になってたかもしれないんだぞ。まったく..』
エース『ほんとだよ。あいつらいない分ヴィル先輩にキツめにしごかれたこっちは、いい迷惑だっつーの』
痛む腰回りを押さえていると、ランニングに出ていったはずのデュースが何故か踵を返して戻ってきた
デュース『おい、エース』
エース『あ?ナニ?昼間のこと謝れとか言うんじゃねーだろーな』
デュース『誰が言うか、そんなこと。お前の言う通り、僕はお前より頭も、要領も悪い。でも..
絶対、お前に負ける気ねぇからな。それだけ言っておこうと思って。それじゃ!』
そう言って再びランニングに戻っていったデュースの背中を見つめながら、エースは呆気にとられた声で"...はぁ?"と目を丸くした
エース『え?あれなんの宣言?はぁ?オレがあの単純馬鹿に負けるとか、あり得ないんですけど。ユウもレイラもグリムも、そう思わね?』
デュースからの思いがけない言葉に若干混乱したエースが問いかけると、グリムはニヤニヤとした笑みを浮かべた
グリム『オレ様からすれば、オメーもデュースもどんぐりの背比べなんだゾ』
エース『はぁ~!?何だと、この毛むくじゃら~~!』