第8章 *先輩サウザント*
小さく頷いたその頭を軽く叩くと、レオナはラギーを連れてユウ達の前から去って行った
すれ違いの際、ラギーがレイラとレオナを交互に凝視したが、それに気づいたものはいなかった
緊張が解けたのか、グリムは"ぷはぁ~!"と息を強く吐いた
ユウ『はぁ...』
ユウも力が抜けたのか、安堵の息を吐きレイラをまた強く抱き締める
『ユウ...変だよ。どうしたの?』
ユウ『レイラ...笑わないで聞いてくれる?』
『うん...笑わない』
〔ユウ〕
怖かった...本当に怖かったんだ....
あのレオナ先輩って人が怖かった訳じゃない...確かに緊張したけどそうじゃないんだ
昨日から今日にかけてレイラの周りに人が増えてきた気がする...その人の多くが彼女に好意的
エースとデュースだけならまだ良かった...でも、トレイ先輩やケイト先輩。大食堂で見かけたサバナクロー寮生の彼
そして、あのレオナ先輩....
その中にはいつの間にか彼女自身が縁を結んだ人もいる。知らない間に、彼女は僕の元を離れて遠くに行ってしまうような気がして不安が日に日に大きくなっていた
僕だけのレイラだったのに....
誰かにその小さな頭を撫でられる度
手を握られ、握る度
誰かの元へと僕から離れて行く度
そしてその可愛い微笑みが自分以外に向けられる度
胸が痛くて、苦しくて、何度その腕を掴んで引き留めたかったことか
その度思うんだ。あぁ...自分はなんて情けないんだって
彼女は僕のモノじゃないのに...些細なことに不安になって嫉妬してる
さっきのレオナ先輩の時もそうだ。ただ昼寝を一緒にするっていうだけの提案に過剰に反応してしまった
そのまま連れて行かれて二度と僕の元に帰ってこないんじゃないかって
ねぇ、レイラ...僕は君にどうしようもない程に惹かれてるんだ
好き...好きだよ...
どうか、僕をこれ以上狂わせないで...
ユウくん病んできてる...ヽ(・∀・)ノ