第8章 *先輩サウザント*
ユウ『あのっ...僕が代わりに何でも言うこと聞きます!だから、レイラを返してくれませんか...』
?『何でも?このレオナ様の尻尾踏んだ詫びだ。ただじゃねぇ...さっきも言った歯の一本でも置いてって貰うが?』
ユウ『それで...返してくれるなら』
『ユウ...グリム...先行ってて』
ユウ『レイラ...?』
『そこまでしなくていいよ...別に変なことされない。ライオンさん優しいから...大丈夫』
ユウ『っ...ダメだよ...』
ただ昼寝に付き合う、それだけなのだがユウは不安でいっぱいだった。目の前の青年が彼女に危害を加えるとは思っていなかったが、彼女の心が奪われるのではと感じていた
『ユウ...?ね、ライオンさん...一回離して?』
?『...ほらよ』
渋々と言った表情で腕を離すと、レイラはユウの元に戻りそっと抱きついた
『ユウ、泣かないで...』
ユウ『泣いてないよ』
『泣きそう...ね、大丈夫。ただお昼寝一緒にするだけだよ...すぐ行くから』
ユウ『...すぐ、だよ...』
ギュウッと強く抱き締め名残惜しそうに離す。そんな時、ユウ達の後ろから知らない声が聞こえる
?『レオナさーん!もー、やっぱりココにいた。レオナさん、今日は補習の日っすよ』
レオナ『はぁ...うるせーのが来た』
?『レオナさん、ただでさえダブってんスから。これ以上留年したら、来年はオレと同級生っスよ?』
レオナ『あー、うるせぇな。キャンキャン言うんじゃねぇよ、ラギー』
ラギーと呼ばれた、先程まで"ライオンさん"もといレオナと同じく獣耳を生やした青年(少年にも見えるが)はレオナに臆すること無く、軽い言い合いを始める。小柄に見える彼だが決して弱々しくは見えず、たれ目の瞳の奥からは、猛獣の光が宿っている
『ライオンさん...?』
レオナ『ちっ...ラギーがうるせぇから今日は見逃してやる。今度俺の縄張りに入るときは気を付けろよ、草食動物ども。おい、ウサギ』
『レイラだよ...』
レオナ『レイラ、昼寝に付き合う件は消えてねぇからな。サバナクロー寮に来い...時間のある時で良い』
『ん、分かった...昨日のお礼もしたいから』