第61章 *苦悩シャウト*
その後、終始機嫌の悪いヴィルにしごかれまくったエースたちは、ほぼ死にかけ状態で床に腰を下ろしていた
エース『うへぇ..きっつ』
カリム『いつにも増して気合い入ってるな』
ジャミル『いや、半分八つ当たりのような...』
ユウ『それにしても、二人とも遅いね』
『...』
ユウ『心配?』
『ん...』
小さく頷くレイラを撫でながら、ユウはそっと窓の外へ視線を向けた。すっかり辺りは暗くなり小さな星たちが瞬きを繰り返す
ユウ『そうだよね。でもきっと大丈夫だよ』
『ん....ぁ、帰ってきた』
突然聞こえてきた聞き覚えのあるエンジン音に、ピンと耳を立て窓の方へと近寄る。すると、こちらへと向かう二つのライトが揺らめいていた
『ユウ、戻ってきたよ』
ユウ『みたいだね。じゃあ、お迎えに行こうか』
『ん!』
カリム『あいつら帰ってきたのか?じゃあみんなで行こうぜ!』
『エースも』
エース『え...お、おう..』
ヴィル『やっと戻ってきたのね。さて、どんな言い訳をしてくれるのかしら』
エース『うわ、怖ぇ..』
ポムフィオーレ寮前
ヴィルを筆頭に全員で寮前へと出迎えると、マジカルホイールを降りた二人が申し訳なさそうに近づいてきた
『お帰り、二人とも』
デュース『ああ、ただいま』
エペル『た、ただいま..』
ヴィル『兎、ちょっと下がってなさい』
『?ん、分かった』
ヴィルに軽く肩を引かれ大人しく後方に下がると、ヴィルはその美しい顔を歪ませながら二人の前に仁王立ちで立ちはだかった
ヴィル『それで?キチンと説明してくれるわよね?』
デュース『ぼ、僕から説明します』
エペル『デュースクン、ここは僕が』
デュース『いや、しかし』
ヴィル『どっちでも良いから早く言いなさい』
『『は、はい...』』
有無を言わさない程の目力に圧倒され、二人は恐る恐る今までの出来事について話始めた