第61章 *苦悩シャウト*
『ごめんね、バカって言って。急にいなくなって心配かけて...』
エース『レイラ...怒ってねぇの?』
おずおずと腕に閉じ込めながら尋ねると、レイラはふるふると首を横に振った
『怒ってない。エースは?』
エース『オレが怒る訳ねぇじゃん。何でよ?』
『..エースたちの問題なのに、勝手に過去思い出して泣いちゃった。バカって言っちゃった』
エース『まぁ、そりゃ触ろうとして拒否られたのはぶっちゃけショックだったけど。理由分かったら、オレらが悪かったって気づいたし..』
だからごめんな..と消え入りそうな声で耳元で囁くと、背中に回った腕に僅かに力が入る
エース『...あいつに謝れって言わねぇの?』
『言わない。それはエースの気持ち次第だから、私は言わない』
エース『そ...』
やっと肩の荷が下りたようにふっと表情を緩めると、最後に額にキスを落としてレイラの体を離した
ユウ『とりあえず仲直りかな?後は、あの二人が帰って来るのを待つしかないか』
ジャミル『どこまで行ったんだあいつら』
『んと...夕日の方に走ってった』
ユウ『なにその"あの夕焼けに向かって走ろうぜ"みたいな青春マンガ的展開』
バタンっ!!!
ヴィル『全員いるのかしら?そろそろレッスンを再開するわ...って、いないじゃないの』
突然入ってきたヴィルは、回りを見渡してデュースやエペルの姿がないことに気がつくと、不満そうに眉を潜めた
ルーク『おや、でも兎の君はお戻りになったようだね。それだけでも良いことじゃないか!』
ヴィルの後ろから遅れて入ってきたルークは、対称的に戻ってきたレイラの姿に嬉しそうに目を細めた
ルーク『兎の君、もう大丈夫なのかい?』
『ん...平気。ごめん、二人とも、迷惑かけて..』
ヴィル『まったくよ。あの二人だけでなくあんたまで飛び出すなんて。舞台に立たないマネージャーだからって、許されるものじゃないわよ』
ルーク『まぁまぁヴィル。彼女も反省しているんだ。今は無事に戻ってきたことに喜ぶべきだよ』
ヴィル『ふん...まあいいわ。さぁ、あの二人がいないからってレッスンは続けるわよ!ポジションにつきなさい!』
エース『すげぇ、やな予感』