第60章 *反発アイデンティティー*
『強い...』
エース『うわ、きっつ..』
グリム『ポムフィオーレって、実はサバナクローより体育会系なんだゾ..』
カリム『おいおい、ヴィル。エペルはまだ1年生だろ?少しは手加減してやれよ。お前に勝てるやつなんて、この学園でもそうそういないんだし』
ヴィル『カリム、あんたは黙ってて』
鋭い視線でカリムを睨み付けると、2・3歩エペルの元へ歩を進める
ヴィル『いいこと、エペル。初めて会った日にも言ったけど..自分の思うままに振る舞いたいなら、強く、美しくなりなさい。子供じみた駄々をこねるのはやめて、レッスンに戻るのよ』
エペル『じ、じぐしょお...っ!!俺は、俺は..ううっ!』
俯いたエペルは悔しそうに歯を食いしばりながら、頬からいくつもの涙を流す。強く握りしめた拳をダンッ!と床に叩きつけると、勢いよく立ち上がり逃げるようにボールルームから走り去っていった
デュース『あ、エペルっ!』
ヴィル『放っておきなさい。これくらいで挫けるようなら、そんなメンバーはこっちからお断り』
デュース『..その言い方はないんじゃないんですか?あいつはあいつなりに、歌も踊りも頑張ってました。なのに..』
ヴィル『ーー努力すれば報われるだなんて、甘えないで!!』
『『...!!』』
ヴィルの怒号に、デュースとジャミルはビクッと身体を震わせ、思わず一歩後方へと下がった
ヴィル『大体新ジャガ2号。あんたは他人を心配してる余裕があるの?ダンスも歌も他のメンバーにかなり遅れをとってる。同じ時期にダンスを始めた新ジャガ1号に比べても差は歴然。
自分が足を引っ張ってる自覚、ないとは言わせないわよ』
デュース『それは...っ』
ヴィル『チームきってのお荷物が、一丁前な口をきかないで』
デュース『...、すんません』
反論しようと口を開くデュースだったが、ヴィルの言われたことが全て正論だと、心の中では分かっていた為、視線を落として謝罪を言うことしかできなかった
エース『あーあー、怒られた。だから余計な首突っ込むのやめとけって、いつも言ってるじゃん。お前、バカだし要領良くないんだからさぁ』
デュース『...っ!うるせぇな!!
分かってんだよ、そんなことはっ!!!』