第59章 *挽回プリンス*
僕に気づいて振り向いたレイラはいつもより輝いて見えて、ドクンと胸が高鳴る
デュース『...っ//い、いや、無事でいたならいいんだ。もうケアは終わったのか?』
『ん、終わったよ。毒の人、見てくれてありがと』
ヴィル『アタシが勝手に監修したかっただけだから、お礼なんていいわよ。ほら、新ジャガ2号のとこへ行ってあげなさい』
シェーンハイト先輩に背を押され、化粧品を両手に抱えながら僕の元へ戻ってくる。そんなレイラを連れて、僕は先輩に頭を下げて自分の部屋に戻った
ヴィル『...?そういえば、何で新ジャガ2号が兎を迎えに来るわけ?部屋が同じなわけじゃあるまいし.....まさか、ね..?』
オンボロ寮・デュースの部屋
『遅くなってごめんね』
デュース『心配したが、何ともなくて良かった』
ケアのおかげか、いつもより肌がツヤツヤとしている頬が気になり、指の背でそっと撫でてみる
デュース『いい触り心地だな』
『ん...可愛くなった?』
デュース『ああ、いつにも増して可愛いぞ。それに、キレイにもなった』
『嬉しい..』
そう言って笑うレイラは可愛いというより、美しいという言葉が似合う。最初に会ったときよりも、魅力的になったレイラに心が奪われる
一方で、そんな彼女の元にはこれからも惹かれてくるやつが現れるんだろうな
腹が立つ...
『デュース..?』
デュース『好きだ』
『え..』
デュース『僕は、お前が好きだ。今まで以上に、好きになった』
こんなありきたりな言葉で何が変わるわけでもないことは知ってる。だけど、少しでも僕を見てくれれば..そんな想いで拙い言葉を紡ぐ
『ん..私もデュースのこと大好き。優しくて、頼りになって、カッコよくて、いっぱい努力して、たまに荒っぽくなっちゃうところも好き。一緒にいると、安心できる』
デュース『っ..//』
『私のこと好きでいてくれるのも、可愛いって言ってくれるのも好き。だから、もっと可愛くなってデュースたちに喜んでもらえたらって..』
デュース『それでさっき...そうか、僕らのために』