第59章 *挽回プリンス*
その日のレッスン終了後
ポムフィオーレ寮・ボールルーム
デュース『今日もハードだったな..身体中痛い』
エース『折角昨日、レイラに身体の痛みとか疲れを飛ばしてもらったのに、今日のレッスンでまた痛くなった』
ユウ『飛ばしてもらった?』
エース『あー、そうそう。レイラのあの匂いってさ、薄くして嗅いだら何か疲れが取れるみたいなんだよね。昨日の筋肉痛とかすっかり治ってたし』
ユウ『...やっぱり、身体を元気にする効果があるんだね』
『おばあちゃんが言うには、もっと使いこなせれば、筋肉痛とかの中の痛みだけじゃなくて、外の傷とかも治せるようになるって』
デュース『回復魔法のようなものじゃないか。凄いな..』
『疲れたときは私が癒すよ。兎の癒し、だから..』
ジャミル『それは興味深いな。是非今夜にでもやってほしいくらいだ』
そっと腰に手を添え、誘うような声で囁くと、レイラの頬に熱がほんのりと点る
『ジャミ、さん...//』
ジャミル『俺の部屋に来ないか?』
『ぁ...えっと..』
デュース『それは出来ません』
『ひゃっ...』
反対側から手が伸びると、ジャミルから拐うように引き寄せられ、レイラの身体はデュースの腕の中に閉じ込められた
デュース『レイラは今夜、僕と一緒に寝るので』
ユウ『!?デュース、それ聞いてないんだけど』
デュース『悪いな。だがもう今朝に約束したんだ』
『ん..デュースに、今日は一緒に寝よって誘われたから、いいよって答えた』
ユウ『....ぴえん』
ジャミル『...ちっ..』
カリム『まあまあ。また今度誘えばいいだろ。そしたら、レイラもオレのベッドで一緒に寝てくれるだろ?』
『ん』
ジャミル『お前は俺の後だ。俺が先に先約する』
カリム『ええ~?いいじゃねぇか。オレだってレイラと寝たい』
小競り合いを始めたスカラビアコンビを放って、ユウたちはさっさとオンボロ寮へと帰っていった
ルーク『いつだって輪の中心に君臨する。益々興味深いよ、兎の君。周りが喉から手が出るほど欲しがる..そんな極上の獲物こそ、狩ってみたくなる』