第59章 *挽回プリンス*
次の日の朝
エース『ふあ~あ...』
『んぅ...』
エース『やっば。超絶寝顔可愛い』
腕から抜け出し、気持ち良さそうに寝ている寝顔を愛おしげに見つめていると、突然部屋の扉がバンッ!と勢いよく開け放たれる
そこに立っていた鬼の形相のユウは、片手それぞれにフライパンとお玉を持ち、それらを打ち鳴らしながら部屋に押し入ってきた
カンカンカンカンカンカン!!
ユウ『起きろ!!この変態エース!!!』
エース『うわ、うるさっ!!ってか、変態じゃねーし!』
ユウ『黙らっしゃい!』
『ん...ぅ..う?あ、ユウだ..おはよ』
ユウ『うぐっ!!ぐうかわ....おはよ』
『ん~...!』
ユウ『伸びをするレイラも可愛い♪...ん?首のそれって..』
『ん?』
エース『あ』
伸びをした際にちらりと見えた首筋の赤い痕に気づいたユウは、殺意丸出しの瞳でエースの方を睨み付けた
ユウ『エース?』
エース『はい』
ユウ『出した?』
エース『出してません』
ユウ『正直に言わないとフライパンで叩くよ。側面で』
エース『しかも側面!?いやいや、出してねーって!ちゃんと我慢したし!なっ、レイラ?』
『ん..ギュッてされてキスして耳触られただけ。だからユウ、怒らないで?』
ユウ『...レイラがそう言うなら。あ、朝御飯の準備。ジャミル先輩たちに任せっきりだった』
『ごめん。私もすぐ行く』
ユウ『ゆっくりでいいよ。じゃあ、先に行ってるからね。エースはさっさと着替えてお皿だすとか手伝え』
エース『オレだけ辛辣じゃね!?』
ユウ『じゃあね』
エース『ユウさぁん!?』
エースの呼び掛けも無視し、パタンと扉を閉めて出ていった
エース『独占欲強すぎだろアイツ。しゃーねー、着替えっか』
『エース』
エース『ん?なに...っ..//』
振り向いた瞬間、唇に触れた柔らかい感触に驚くと、悪戯めいた笑顔で"おはようのキス"と呟いた
エース『ホントさ...お前タチ悪すぎ』
『嫌い?』
エース『好き』
『えへへ..//』
デュース『おはようレイラ』
『おはよ、デュース』
デュース『ちょっと、頼みがあるんだが..』