第59章 *挽回プリンス*
カリムの言葉に反論したその時、ボールルームの扉が開き、パンパンと手を叩きながらヴィルとルークが姿を見せた
ヴィル『揃ってるわね、ジャガイモたち。みんな、歌は頭に叩き込んできた?』
ジャミル『はい、勿論です』
エペル『は、はい..っ!』
ヴィル『それじゃあ、歌も合わせてみるわよ。マネージャー、曲をかけて』
ユウ『はい』
『ユウ..これ』
ユウ『ありがとレイラ』
オーディオプレーヤーを手渡されたのを受けとると、ヴィルたちが準備できたのを確認して、ボタンを押して新曲を流す
歌のパフォーマンスが終わると、マネージャー二人の拍手が小さく響く
『すごいね..』
ユウ『プロの歌手みたい..!』
カリム『お..おおお..おおお~~!!やべー!メインボーカルチームの歌声に、聞き惚れちまっていつの間にかコーラス忘れてたぜ!』
ジャミル『おい、それじゃダメだろう』
カリム『それくらい、良いってことだよ。身体が自然に躍りだしちまう!』
ルーク『トレビアン!素晴らしいハーモニーだったね』
デュース『はい!すげーアツかったっす!』
ヴィル『ふん。このくらいで騒がないで。まだまだメインもコーラスもガチャガチャ。メインも音を外してたし、コーラスは前に出過ぎ』
エース『折角頑張ってんのに前に出ちゃダメ?コーラスって、想像より難しいな。あー、オレもメインボーカルがよかった』
ヴィル『新ジャガ1号。コーラスの重要性が分かってないようじゃ、メインボーカルへの道は七つの輝く丘の彼方より遠いわよ。
メインとコーラス。どっちが調和を乱しても美しく聞こえない。心しなさい』
エース『うぃーす。頑張りまーす』
ヴィルに指摘され、エースはやる気なさげに応える
ヴィル『本番では踊りながらの歌唱になる。難易度はぐんと上がるわ。さあ、次はダンスのレッスンよ。始めましょう』
それぞれ最初の立ち位置につくと、ユウが再生した曲に合わせてヴィルたちはダンスパフォーマンスを始める
一方、バレエレッスンを命じられたエペルと、自ら志願したデュースは、ボールルームの端でバーレッスンに取りかかった