第59章 *挽回プリンス*
ポムフィオーレ寮・ボールルーム
ユウたちがボールルームにつくと、そこにはヴィルとルークを除いた五人の姿があり、エーデュースコンビとグリムは、昨日硬い床で寝た際に痛めた腰や背中を擦っていた
デュース『昨日は酷い目に遭ったな..』
エース『硬い床で寝かされたせいで身体中痛てぇ~』
グリム『うぅ、オレ様は出場選手じゃねぇのに何でなんだゾ..』
エペル『みんな、大丈夫?』
カリム『お、みんな来たな。おはようさん』
『おはよ、カリムさん、ジャミさん、リンゴくん』
ジャミル『おはよう。まったく..昨晩の騒ぎ、敵襲かと思って飛び起きてしまったじゃないか。人騒がせな..様子を見に行ったら全員が床に転がってるし』
エース『好きで床で寝てたんじゃねーし!ヴィル先輩のユニーク魔法でやられたんすよ』
ジャミル『ヴィル先輩のユニーク魔法、だって?』
グリム『おう。食い物に"呪い"を仕込めるっていう、おっかねえ魔法だったんだゾ!』
カリム『食べ物に、呪ぃ!?』
グリム『これからVDC当日まで、何か口に入れる度に呪いがかかってるんじゃねーかって、ビクビクしちまいそうだ』
『カリムさんたちは、こういうの何とか出来ない?』
カリム『う~ん。オレ、毒なら大体気づけるけど、呪いはさすがに気づけないかもなー』
ジャミル『魔力を使用すれば多少の痕跡は残るものだが..』
ふむ..と考える仕草をすると、その言葉にカリムがあることを思いたようにポツリと呟いた
カリム『ふーん。じゃあ魔法の探知能力を磨けば、分かるようになるってことか』
ジャミル『ま、鈍感なお前に習得は難しいかもしれないな』
カリム『え~、なんだよそれ。やってみなきゃ分かんねーだろ~?』
エース『あの~、カリム先輩。逆に何で毒なんかに気づけるんすか?』
カリム『ん?あぁー、昔、飯に入ってたことがあって』
『『『ええええっ!?』』』
軽い口調でとんでもないことをカミングアウトされ、ユウやレイラやグリム、スカラビアコンビを除くエースたちの驚愕の声がボールルームに響き渡った