第59章 *挽回プリンス*
オンボロ寮・自分達の部屋
次の日
朝日が窓から差し込み、その眩しさに目が覚めたユウはうっすらと目を開けた
ユウ『朝、か..あれ?確か昨日..』
意識がなくなる直前まで覚えていたユウは、自分がベッドに戻っていることに疑問を覚えた
ユウ『あの後、いつの間にか自分で戻ってたのかな?』
コンコン....
ルーク『ボンジュール!ユウくん、兎の君!すがすがしい朝だね。今日から朝練を行うよ。ポムフィオーレのボールルームへおいで』
いつも通りの笑みを浮かべながら、ノックと共に部屋に入ってくると、抱きしめ合いながらベッドに横になっている二人を見て、僅かに驚いた顔をした
ルーク『ボーテ!仲が良いのはとても素晴らしいことだよ!成る程..君の前では警戒心の塊である兎の君も、そこまで無防備に身を委ねるんだね』
ユウの胸に寄り添いながら未だに寝ているレイラを見つめながら、スッと目を細めた
ユウ『あ..おはよう、ございます..?』
『ん~...』
ユウ『おはよう、レイラ。ボールルームで朝練だって』
『ゃ...まだ、寝る...』
ユウにしがみつき、起きたくないと駄々をこねる。そんな姿も愛らしいと頬を緩ませるユウだったが、何とか起こそうとレイラを少し引き離すと、寝起きの唇にキスをした
『ん...ん...ぅ..』
ユウ『はぁ...起きて、レイラ』
『もっかいキスしてくれたら起きる』
ユウ『もう、朝から可愛すぎ..//』
寝起き特有の舌ったらずな口調で甘えるようにふにゃりと笑うと、ユウの鼓動が大きく高鳴る
頬を赤く染めながら、もう一度キスを贈ってやると、満足したように身体を起こして大きく伸びをした
『ん~..!』
ユウ『さあ、着替えてポムフィオーレに行こうね』
『ん』
ルーク『朝からお熱いね..』
『!!狩人さん..』
ルーク『それは私の渾名かな?兎の君。愛らしい君から渾名をいただけるなんて、光栄だよ!』
いつも以上にテンションのあげるルークを警戒しながらユウに抱きつくと、その様子に気づいたルークは"先に行っているよ"と部屋を後にした
ユウ『レイラ、あの人のこと怖い?』
『ん..嫌いじゃないけど、苦手』